悪いオトコ
「それが、あなたの本音なの?」
泣いていた顔に、自分も小さく笑いを浮かべて尋ねた。
「本音だね。今のところ、これが精一杯の本音」
「……いいわ。いつかもっとちゃんと好きって、言わせるから」
「……変わってるよね、ほんと」
彼が苦笑を崩さないままで言う。
「ごっこじゃない恋愛なんて、二度とする気もなかったけど、でももう一度だけしてみてもいいかもね」
彼の身体を抱き締め返して、爪先立ちになる。
「……ごっこの恋愛は、これでおしまい。これで最後って言って」
自分から口づけた私に、
「最後に、してもいい。君となら、最後にしてもね」
深く貪るような口づけが落ちる。
……この恋は、先が見えない。
だけど、この恋は終わらない……。
求め合う口づけの中で、たった今始まったばかりの本気の恋愛に、私は身を委ねた……。
終わり
泣いていた顔に、自分も小さく笑いを浮かべて尋ねた。
「本音だね。今のところ、これが精一杯の本音」
「……いいわ。いつかもっとちゃんと好きって、言わせるから」
「……変わってるよね、ほんと」
彼が苦笑を崩さないままで言う。
「ごっこじゃない恋愛なんて、二度とする気もなかったけど、でももう一度だけしてみてもいいかもね」
彼の身体を抱き締め返して、爪先立ちになる。
「……ごっこの恋愛は、これでおしまい。これで最後って言って」
自分から口づけた私に、
「最後に、してもいい。君となら、最後にしてもね」
深く貪るような口づけが落ちる。
……この恋は、先が見えない。
だけど、この恋は終わらない……。
求め合う口づけの中で、たった今始まったばかりの本気の恋愛に、私は身を委ねた……。
終わり