平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
町に入り、青いタイルが美しい宮殿の門が見えてきた。しかし、門前はいつもの様子と違う。
大きな車輪が四つあるふたり用の馬車と、十数頭の馬があった。
ラウリが手綱を引き、ディオンに近づく。
「ディオンさま、あれはイヴァナ皇后の馬車ではないでしょうか?」
「確かめてくるんだ」
「御意」
ラウリはスピードを上げて、門へ向かった。
ディオンに緊張が走ったのがわかり、桜子は胸騒ぎがした。
(イヴァナ皇后って……皇帝の妻ってことよね……?)
門に向かったラウリが戻ってきた。
「ディオンさま、馬車には皇妃の使いの者と、ダフネ姫が乗ってきたとのことです」
ラウリの報告に、ディオンは少し考えを巡らせる。
「……サクラ、少し厄介なことになりだ。ニコと戻って。疲れただろう。ゆっくりしていなさい」
危惧するディオンは、ふと桜子から視線を上げた。
「ディオンさま~」
門のほうからヒラヒラと手を振っている女の子がいた。
豪華な衣装をまとった女の子は、馬に騎乗したディオンの前に見たことのない容姿の娘が座っているのがわかると、駆けだした。
「サクラ、彼女のことは気にしないで」
そう桜子に耳打ちしたディオンは、深いため息を漏らしたのち、馬をゆっくり進ませ、煌びやかな衣装を身につけた女の子の横で停止させた。
大きな車輪が四つあるふたり用の馬車と、十数頭の馬があった。
ラウリが手綱を引き、ディオンに近づく。
「ディオンさま、あれはイヴァナ皇后の馬車ではないでしょうか?」
「確かめてくるんだ」
「御意」
ラウリはスピードを上げて、門へ向かった。
ディオンに緊張が走ったのがわかり、桜子は胸騒ぎがした。
(イヴァナ皇后って……皇帝の妻ってことよね……?)
門に向かったラウリが戻ってきた。
「ディオンさま、馬車には皇妃の使いの者と、ダフネ姫が乗ってきたとのことです」
ラウリの報告に、ディオンは少し考えを巡らせる。
「……サクラ、少し厄介なことになりだ。ニコと戻って。疲れただろう。ゆっくりしていなさい」
危惧するディオンは、ふと桜子から視線を上げた。
「ディオンさま~」
門のほうからヒラヒラと手を振っている女の子がいた。
豪華な衣装をまとった女の子は、馬に騎乗したディオンの前に見たことのない容姿の娘が座っているのがわかると、駆けだした。
「サクラ、彼女のことは気にしないで」
そう桜子に耳打ちしたディオンは、深いため息を漏らしたのち、馬をゆっくり進ませ、煌びやかな衣装を身につけた女の子の横で停止させた。