平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
「サクラの様子は?」
「食事を召し上がり、部屋でお休みになっています。ディオンさまもお食事を」
ディオンは頭を左右に振る。
「食事はサクラとの夕食でかまわない。私も少し休息を取る」
ディオンは椅子から立ち上がり、政務室を出ていった。
遅い昼食が終わった桜子は机に両肘をついて、ダフネ姫のことを考えていた。そこへザイダが慌てた様子で部屋に入ってくる。
「サクラさま!」
「ザイダ、そんなに慌ててどうしたの……?」
机から手を離して、桜子はいつになく動揺を隠せないザイダに首を傾げる。
「殿下が皇帝より、ダフネ姫を娶るように勅命を賜りました!」
「勅命……って? どういう意味?」
「絶対に逆らえない皇帝の命令ですわ!」
ザイダの言葉に桜子は衝撃を受け、眩暈を覚えた。
「……絶対に……? 逆らえないの……?」
「はい……逆らった場合には、逆賊として死刑に」
「そんなっ!」
ダフネ姫のあの様子を桜子は思い出す。
(彼女はこの勅命をとても喜んでいるに違いないわ……ディオンさまは別れるとき、厄介なことになりそうだと言っていた。あの言葉は当たっていたのね……)
想いを通わせたばかりで、ディオンと桜子に困難が立ちはだかった。
(ディオンさま……)
「あ、余計なことをお耳に入れてしまい、申し訳ありません。驚いてしまって……。サクラさま、殿下はサクラさまを溺愛なさっていらっしゃるので、安心なさって大丈夫でございますよ」
ザイダが心配しないように、桜子は元気に頷いた。
「食事を召し上がり、部屋でお休みになっています。ディオンさまもお食事を」
ディオンは頭を左右に振る。
「食事はサクラとの夕食でかまわない。私も少し休息を取る」
ディオンは椅子から立ち上がり、政務室を出ていった。
遅い昼食が終わった桜子は机に両肘をついて、ダフネ姫のことを考えていた。そこへザイダが慌てた様子で部屋に入ってくる。
「サクラさま!」
「ザイダ、そんなに慌ててどうしたの……?」
机から手を離して、桜子はいつになく動揺を隠せないザイダに首を傾げる。
「殿下が皇帝より、ダフネ姫を娶るように勅命を賜りました!」
「勅命……って? どういう意味?」
「絶対に逆らえない皇帝の命令ですわ!」
ザイダの言葉に桜子は衝撃を受け、眩暈を覚えた。
「……絶対に……? 逆らえないの……?」
「はい……逆らった場合には、逆賊として死刑に」
「そんなっ!」
ダフネ姫のあの様子を桜子は思い出す。
(彼女はこの勅命をとても喜んでいるに違いないわ……ディオンさまは別れるとき、厄介なことになりそうだと言っていた。あの言葉は当たっていたのね……)
想いを通わせたばかりで、ディオンと桜子に困難が立ちはだかった。
(ディオンさま……)
「あ、余計なことをお耳に入れてしまい、申し訳ありません。驚いてしまって……。サクラさま、殿下はサクラさまを溺愛なさっていらっしゃるので、安心なさって大丈夫でございますよ」
ザイダが心配しないように、桜子は元気に頷いた。