平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
桜子を黄色いクッションの上に座らせ、対面の紫色のクッションにディオンは腰を下ろした。
「たくさん召し上がれ。昼食をほとんど残したと聞いている。互いを注意しなくてはダメだな」
ディオンに報告されてしまっていたのかと、ため息が漏れそうになる。食欲がなくなったのはダフネ姫の出現のせいだ。
「たぶん、海に入ってはしゃぎすぎちゃったんですね。いただきます!」
桜子はダフネ姫を気にしていない素振りをする。
食事を食べながら、考えていたことを口にする。
「ディオンさま、竹刀を返していただけますか?」
「ああ……そうだったな。そなたに戻すのを忘れていた」
実際には忘れていなかったディオンだ。
桜子は昨日の出来事で、強くなりたいと言った。昨晩のことは仕方なかったとして、自分のために桜子を戦わせてはいけないと思っている。
「毎日素振りをして、身体がなまらないようにしたいんです。また昨日のようなことがあるかもしれないですし」
「そう言ってくれるのは嬉しいが、そなたにはここで平和に暮らしてほしいと思っている」
ディオンはそう言って、ベルタッジア国の最高級の酒、琥珀色の液体を喉に流す。
「竹刀が剣に勝てるはずはないです。でも練習をしておきたいんです」
「サクラ……わかった。運動はいいことだ。明朝、ニコにシナイを持っていかせよう」
「ありがとうございます」
桜子はにっこり笑った。
食事を食べ始めたが、お昼を抜いてお腹が空いていると言ったディオンの食が進まず、お酒ばかり飲んでいる。
「たくさん召し上がれ。昼食をほとんど残したと聞いている。互いを注意しなくてはダメだな」
ディオンに報告されてしまっていたのかと、ため息が漏れそうになる。食欲がなくなったのはダフネ姫の出現のせいだ。
「たぶん、海に入ってはしゃぎすぎちゃったんですね。いただきます!」
桜子はダフネ姫を気にしていない素振りをする。
食事を食べながら、考えていたことを口にする。
「ディオンさま、竹刀を返していただけますか?」
「ああ……そうだったな。そなたに戻すのを忘れていた」
実際には忘れていなかったディオンだ。
桜子は昨日の出来事で、強くなりたいと言った。昨晩のことは仕方なかったとして、自分のために桜子を戦わせてはいけないと思っている。
「毎日素振りをして、身体がなまらないようにしたいんです。また昨日のようなことがあるかもしれないですし」
「そう言ってくれるのは嬉しいが、そなたにはここで平和に暮らしてほしいと思っている」
ディオンはそう言って、ベルタッジア国の最高級の酒、琥珀色の液体を喉に流す。
「竹刀が剣に勝てるはずはないです。でも練習をしておきたいんです」
「サクラ……わかった。運動はいいことだ。明朝、ニコにシナイを持っていかせよう」
「ありがとうございます」
桜子はにっこり笑った。
食事を食べ始めたが、お昼を抜いてお腹が空いていると言ったディオンの食が進まず、お酒ばかり飲んでいる。