平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
「もちろんだよ。ところで今朝、面白いことがあったらしいね。それが聞きたくてね」
ザイダがお茶を持ってきて、桜子はそれを飲みながら、今朝あったことをカリスタに話した。
「サクラが来てから、楽しくて仕方ないね~」
カリスタは笑いが止まらない。
「そんなに楽しいですか……? 私は楽しくないです」
桜子はカリスタがそれほど笑う理由がわからず、顔を顰める。
「周りの目も気にせずサクラを寵愛するディオンさまを、この目で見たかったねえ」
「ディオンさま、過保護すぎると思いませんか?」
桜子は小声になった。
「思わないよ。ディオンさまが過保護になるのはサクラが初めてだよ。今までになかったことだ。お小さい頃から大人びて、なんでも見通せるような子供でね。まったく手のかからない皇子さまだったんだ。ちょいと憎たらしい子でもあったよ」
「それとこれとでは話が……」
納得がいかない桜子の手の甲に、カリスタは手を置いて優しくポンポンと撫でる。
「サクラ、よくお聞き。ディオンさまはサクラが宮殿に来るまで、誰にも我関せずだったんだよ。それがサクラには違う。それほどまで感情をあらわにするとは。サクラが可愛くてならないんだねえ」
ザイダがお茶を持ってきて、桜子はそれを飲みながら、今朝あったことをカリスタに話した。
「サクラが来てから、楽しくて仕方ないね~」
カリスタは笑いが止まらない。
「そんなに楽しいですか……? 私は楽しくないです」
桜子はカリスタがそれほど笑う理由がわからず、顔を顰める。
「周りの目も気にせずサクラを寵愛するディオンさまを、この目で見たかったねえ」
「ディオンさま、過保護すぎると思いませんか?」
桜子は小声になった。
「思わないよ。ディオンさまが過保護になるのはサクラが初めてだよ。今までになかったことだ。お小さい頃から大人びて、なんでも見通せるような子供でね。まったく手のかからない皇子さまだったんだ。ちょいと憎たらしい子でもあったよ」
「それとこれとでは話が……」
納得がいかない桜子の手の甲に、カリスタは手を置いて優しくポンポンと撫でる。
「サクラ、よくお聞き。ディオンさまはサクラが宮殿に来るまで、誰にも我関せずだったんだよ。それがサクラには違う。それほどまで感情をあらわにするとは。サクラが可愛くてならないんだねえ」