平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
そこへ、ザイダがふたり分の昼食を持って入室した。
「サクラさま、カリスタさま。遅い昼食ですが、どうぞお召し上がりくださいませ」
ザイダは冷たいお茶をグラスに注ぎ、食べるように勧めた。
「ありがとう。お腹ペコペコなんです」
今回のことで胃が痛んでいたが、カリスタとザイダが心配しないように食べ始める。
「イヴァナ皇后は娘がいないせいか、あのわがまま娘を溺愛しているんだよ」
「……ダフネ姫のディオンさまを想う気持ちは、本物のようでした」
スープを飲む手を止めて、寂しそうに口にした桜子に、カリスタは眉根を寄せる。
「サクラ? なにか変なことを考えたりしていないだろうね?」
桜子はカリスタの指摘に、心臓をドキッと跳ねさせた。
「……変なことって? なんですか?」
「身を引くとかさ」
「そんなこと、思っていないです。私がいられる場所はここしかないですし。ダフネ姫には我慢してもらうしかないですね」
わざとそっけない口調で言った。
「ならいいけどね」
カリスタを信用させることが出来て、桜子は胸を撫で下ろした。
その日の夕食。桜子はディオンの私室にいた。珍しくイアニス、ラウリ、ニコ、エルマがいて、全員で食事をしている。
ディオンの片膝を立てた足の間に桜子は座らされて、かいがいしく料理を口に運ばれている。
最初は恥ずかしくて、足の間から何度も抜け出そうとしたが、それが許されず留まっている。
「サクラさま、カリスタさま。遅い昼食ですが、どうぞお召し上がりくださいませ」
ザイダは冷たいお茶をグラスに注ぎ、食べるように勧めた。
「ありがとう。お腹ペコペコなんです」
今回のことで胃が痛んでいたが、カリスタとザイダが心配しないように食べ始める。
「イヴァナ皇后は娘がいないせいか、あのわがまま娘を溺愛しているんだよ」
「……ダフネ姫のディオンさまを想う気持ちは、本物のようでした」
スープを飲む手を止めて、寂しそうに口にした桜子に、カリスタは眉根を寄せる。
「サクラ? なにか変なことを考えたりしていないだろうね?」
桜子はカリスタの指摘に、心臓をドキッと跳ねさせた。
「……変なことって? なんですか?」
「身を引くとかさ」
「そんなこと、思っていないです。私がいられる場所はここしかないですし。ダフネ姫には我慢してもらうしかないですね」
わざとそっけない口調で言った。
「ならいいけどね」
カリスタを信用させることが出来て、桜子は胸を撫で下ろした。
その日の夕食。桜子はディオンの私室にいた。珍しくイアニス、ラウリ、ニコ、エルマがいて、全員で食事をしている。
ディオンの片膝を立てた足の間に桜子は座らされて、かいがいしく料理を口に運ばれている。
最初は恥ずかしくて、足の間から何度も抜け出そうとしたが、それが許されず留まっている。