平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
翌日から、ラウリとニコが交互に桜子の剣の練習を見てくれていた。そんな桜子を、カリスタはいつも心配しながら見守っている。
鍛錬用の剣は切れないが、当たれば打撲する。ラウリとニコも極力、ディオンの愛する娘の身体に当てたくはなかったが、最初はそうもいかず、桜子の腕や足があざだらけになった。
しかし桜子はどんどん上達し、一週間後には、本気で相手をしなければふたりのほうが怪我をするくらいにまでなっていた。
毎回あざを作る桜子に、ディオンは以前より過保護にはならなかった。それは、桜子に戦うすべを身につけてほしかったからだ。
(いつイヴァナ皇后の刺客がサクラを狙うかわからない。私たちが駆けつけるまで、戦えるようになってほしい)
もともと運動神経は群を抜いていた桜子だ。ディオンのつらい気持ちとは反対に、剣の鍛錬を楽しんでいた。
ラウリの剣が勢いよくぶつかり、男女の力の差で桜子ははじき飛ばされる。
「きゃっ!」
草の上に転がる桜子に、鍛錬を見ていたディオンが駆け寄る。
「怪我は!?」
桜子はディオンに助け起こされた。
「大丈夫です。まだまだやれます! ラウリさんっ」
ディオンの後ろに立つラウリを見る。
「今日はやめなさい。やり過ぎても集中力がなくなり、怪我ばかりが増える」
ディオンは桜子の手から剣を取り上げ、手を開かせる。桜子の手のひらは、剣を握るせいで、まめが潰れていた。
鍛錬用の剣は切れないが、当たれば打撲する。ラウリとニコも極力、ディオンの愛する娘の身体に当てたくはなかったが、最初はそうもいかず、桜子の腕や足があざだらけになった。
しかし桜子はどんどん上達し、一週間後には、本気で相手をしなければふたりのほうが怪我をするくらいにまでなっていた。
毎回あざを作る桜子に、ディオンは以前より過保護にはならなかった。それは、桜子に戦うすべを身につけてほしかったからだ。
(いつイヴァナ皇后の刺客がサクラを狙うかわからない。私たちが駆けつけるまで、戦えるようになってほしい)
もともと運動神経は群を抜いていた桜子だ。ディオンのつらい気持ちとは反対に、剣の鍛錬を楽しんでいた。
ラウリの剣が勢いよくぶつかり、男女の力の差で桜子ははじき飛ばされる。
「きゃっ!」
草の上に転がる桜子に、鍛錬を見ていたディオンが駆け寄る。
「怪我は!?」
桜子はディオンに助け起こされた。
「大丈夫です。まだまだやれます! ラウリさんっ」
ディオンの後ろに立つラウリを見る。
「今日はやめなさい。やり過ぎても集中力がなくなり、怪我ばかりが増える」
ディオンは桜子の手から剣を取り上げ、手を開かせる。桜子の手のひらは、剣を握るせいで、まめが潰れていた。