平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
「ディオンさま、離してください」
「嫌だ。そなたを離したくない。もしかしたら本当に夢を見ているのかもしれない。サクラは私を避けていたから」
ディオンの声が切なく聞こえる。
「夢じゃないです。まず熱を下げないと」
桜子が強引にディオンの腕から抜け出すと、残念そうなため息がした。
「私がちゃんと看病しますから、安心して寝てくださいね」
落ちた布を拾って、近くの大きな器に張られていた冷たい水にくぐらせた。額に冷たくなった布を置き、ディオンの様子を見る。今、彼は目を閉じている。
「ちゃんと食事はしましたか?」
「いや……食欲がなかった」
「ダメです! そんなことでは治りませんから。今用意しますから、ちゃんと食べてください」
桜子は私室の外で控えている女官に、消化のいい食事を持ってくるようにお願いした。
いつでもすぐ出せるように食事は用意されており、女官がすぐに運んでくる。
「ディオンさま、お食事を召し上がってください」
身体を起こしたディオンに、桜子はかいがいしく食べさせ、世話をしていく。
「よかった。全部なくなりました!」
「サクラが側にいてくれたからだ」
食事を終え、ディオンは桜子に微笑んだ。熱がある微笑みはいつもよりも色気があり、桜子の胸をドキドキさせる。
「嫌だ。そなたを離したくない。もしかしたら本当に夢を見ているのかもしれない。サクラは私を避けていたから」
ディオンの声が切なく聞こえる。
「夢じゃないです。まず熱を下げないと」
桜子が強引にディオンの腕から抜け出すと、残念そうなため息がした。
「私がちゃんと看病しますから、安心して寝てくださいね」
落ちた布を拾って、近くの大きな器に張られていた冷たい水にくぐらせた。額に冷たくなった布を置き、ディオンの様子を見る。今、彼は目を閉じている。
「ちゃんと食事はしましたか?」
「いや……食欲がなかった」
「ダメです! そんなことでは治りませんから。今用意しますから、ちゃんと食べてください」
桜子は私室の外で控えている女官に、消化のいい食事を持ってくるようにお願いした。
いつでもすぐ出せるように食事は用意されており、女官がすぐに運んでくる。
「ディオンさま、お食事を召し上がってください」
身体を起こしたディオンに、桜子はかいがいしく食べさせ、世話をしていく。
「よかった。全部なくなりました!」
「サクラが側にいてくれたからだ」
食事を終え、ディオンは桜子に微笑んだ。熱がある微笑みはいつもよりも色気があり、桜子の胸をドキドキさせる。