平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
(こういうときは、元気づけてあげたい)
「もちろん」
ディオンは桜子の手を握ると、ゆっくり歩きだした。
「カリスタはだいぶよくなったそうだな。元気すぎて女官たちを困らせていると聞いている」
「はい。まだ動かないようにお医者さまに言われているので、退屈しているみたいです。ずっと文字の勉強をしていようって言われて、面食らっちゃいました」
桜子は元気になったカリスタを思い出して、笑みを浮かべる。
「ずっと、か。カリスタらしい。サクラが心配でそばにいてほしいのもあるんだろう」
「そんなことをしたら具合が悪くなりますよって、ビシッと言ってきました」
「サクラにはカリスタも敵わないな。私もサクラに逆らわないようにしよう」
そう言って笑うディオンの手を引っ張り、立ち止まる。
「どうしたんだ?」
「……だから……ディオンさまもなにかあったら、ちゃんと私にも教えてくださいね?」
桜子は真剣な顔でお願いをした。
「サクラ……愛おしいサクラ……私の妻になる決心はついた?」
ディオンは桜子の手を持ち上げて、甲に口づける。
「やはりまだ決心がつかない?」
「ディオンさまは、待ってくださると……やっぱりなにかあったのですね?」
「……ルキアノスが、そなたを寄こせと」
桜子は驚きすぎて、声が出せなかった。
「もちろん」
ディオンは桜子の手を握ると、ゆっくり歩きだした。
「カリスタはだいぶよくなったそうだな。元気すぎて女官たちを困らせていると聞いている」
「はい。まだ動かないようにお医者さまに言われているので、退屈しているみたいです。ずっと文字の勉強をしていようって言われて、面食らっちゃいました」
桜子は元気になったカリスタを思い出して、笑みを浮かべる。
「ずっと、か。カリスタらしい。サクラが心配でそばにいてほしいのもあるんだろう」
「そんなことをしたら具合が悪くなりますよって、ビシッと言ってきました」
「サクラにはカリスタも敵わないな。私もサクラに逆らわないようにしよう」
そう言って笑うディオンの手を引っ張り、立ち止まる。
「どうしたんだ?」
「……だから……ディオンさまもなにかあったら、ちゃんと私にも教えてくださいね?」
桜子は真剣な顔でお願いをした。
「サクラ……愛おしいサクラ……私の妻になる決心はついた?」
ディオンは桜子の手を持ち上げて、甲に口づける。
「やはりまだ決心がつかない?」
「ディオンさまは、待ってくださると……やっぱりなにかあったのですね?」
「……ルキアノスが、そなたを寄こせと」
桜子は驚きすぎて、声が出せなかった。