平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
カリスタを見舞い、部屋を出て後宮へ戻る途中、イアニスとばったり回廊で会った。
「サクラさま、祖母の見舞いでしたか」
「はい。元気になっているようで安心しました」
桜子の言葉に、イアニスは口元を緩ませる。
「サクラさまのおかげですよ。あなたが活力になっているようですから。ああ、それよりもディオンさまから聞きました。妻になってくださると。喜んでおいででしたよ」
イアニスはふたりのことを喜んでいたが、これからのことを考えると、とてつもない不安が心の中に広がっている。
「……どうして、ルキアノス皇帝が私を……? イヴァナ皇后の罠なのでしょうか?」
「イヴァナ皇后の策略かはわかりかねますが、ルキアノス皇帝が好色な男であることは、はっきり言えます」
桜子の顔が不安げになったのを見て、イアニスは続ける。
「ですが、ディオンさまが必ずお守りいたしますから、ご安心を」
「……でも、それによって、戦いになってしまうのでは?」
「もともと、ディオンさまがベルタッジア国の正当な血筋。いつかはルキアノス皇帝を倒さなくてはならなかったのです。戦いが早まっただけですよ」
イアニスによると、皇都や他の領にも前皇帝派の貴族たちがおり、ディオンを支持しているようだった。
とはいえ、武力では大人と子供ほどの差があり、「綿密な作戦をこれから立てなければ」と言ってイアニスは去っていった。
「サクラさま、祖母の見舞いでしたか」
「はい。元気になっているようで安心しました」
桜子の言葉に、イアニスは口元を緩ませる。
「サクラさまのおかげですよ。あなたが活力になっているようですから。ああ、それよりもディオンさまから聞きました。妻になってくださると。喜んでおいででしたよ」
イアニスはふたりのことを喜んでいたが、これからのことを考えると、とてつもない不安が心の中に広がっている。
「……どうして、ルキアノス皇帝が私を……? イヴァナ皇后の罠なのでしょうか?」
「イヴァナ皇后の策略かはわかりかねますが、ルキアノス皇帝が好色な男であることは、はっきり言えます」
桜子の顔が不安げになったのを見て、イアニスは続ける。
「ですが、ディオンさまが必ずお守りいたしますから、ご安心を」
「……でも、それによって、戦いになってしまうのでは?」
「もともと、ディオンさまがベルタッジア国の正当な血筋。いつかはルキアノス皇帝を倒さなくてはならなかったのです。戦いが早まっただけですよ」
イアニスによると、皇都や他の領にも前皇帝派の貴族たちがおり、ディオンを支持しているようだった。
とはいえ、武力では大人と子供ほどの差があり、「綿密な作戦をこれから立てなければ」と言ってイアニスは去っていった。