平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
「心配をかけてごめんなさい」
桜子が小さな布でザイダの涙を優しく拭くと、彼女は恐れ多い顔になる。
「なんてもったいない……」
「カリスタに会いに行ってきます!」
馬を飛ばしてきたから休みたいのはやまやまだが、早くカリスタに会いたかった。
「はい。お見えにならないとおっしゃっていましたので。サクラさまは風邪をひいてしまったことにいたしておきました」
ザイダは機転を利かせ、風邪をうつさないようにするために、桜子はしばらく会いに来られないとカリスタに話していた。
「ありがとう」
桜子は弾んだ足取りで部屋を出ていった。とても幸せそうな主の後ろ姿に、ザイダは微笑んだ。
カリスタは寝台の上に身体を起こして縫い物をしていたが、桜子の姿に手を止めて、端に腰かけるようポンポンと叩いた。
「サクラ、風邪は大丈夫なのかい?」
座った桜子の両頬に両手を置き、具合を確かめようとしているカリスタだ。
「風邪はひいていないの。カリスタ、落ち着いて聞いてくれる? 無事に済んだから、気を揉まないでほしいの」
「なんだい? 私は元気だよ。ちょっとやそっとのことじゃ驚かないからねえ。話してごらん」
カリスタは身を乗り出し、桜子をジッと見る。
桜子は慎重に今までのことを話しだした。
そして、すべてを聞いたカリスタは目に涙を浮かべて桜子を抱きしめた。
「よかったよ。よかったよ。すべてうまくいったんだね?」
カリスタの涙に、桜子も昨日の不安が思い出されて、涙腺が決壊する。
「……うん。うん。もう安心してね」
お互いの泣き顔を見合って、泣き笑いに変わった。
桜子が小さな布でザイダの涙を優しく拭くと、彼女は恐れ多い顔になる。
「なんてもったいない……」
「カリスタに会いに行ってきます!」
馬を飛ばしてきたから休みたいのはやまやまだが、早くカリスタに会いたかった。
「はい。お見えにならないとおっしゃっていましたので。サクラさまは風邪をひいてしまったことにいたしておきました」
ザイダは機転を利かせ、風邪をうつさないようにするために、桜子はしばらく会いに来られないとカリスタに話していた。
「ありがとう」
桜子は弾んだ足取りで部屋を出ていった。とても幸せそうな主の後ろ姿に、ザイダは微笑んだ。
カリスタは寝台の上に身体を起こして縫い物をしていたが、桜子の姿に手を止めて、端に腰かけるようポンポンと叩いた。
「サクラ、風邪は大丈夫なのかい?」
座った桜子の両頬に両手を置き、具合を確かめようとしているカリスタだ。
「風邪はひいていないの。カリスタ、落ち着いて聞いてくれる? 無事に済んだから、気を揉まないでほしいの」
「なんだい? 私は元気だよ。ちょっとやそっとのことじゃ驚かないからねえ。話してごらん」
カリスタは身を乗り出し、桜子をジッと見る。
桜子は慎重に今までのことを話しだした。
そして、すべてを聞いたカリスタは目に涙を浮かべて桜子を抱きしめた。
「よかったよ。よかったよ。すべてうまくいったんだね?」
カリスタの涙に、桜子も昨日の不安が思い出されて、涙腺が決壊する。
「……うん。うん。もう安心してね」
お互いの泣き顔を見合って、泣き笑いに変わった。