平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
「サクラ! ラウリ、サクラの元へ行くんだ!」
ラウリと共に馬を全力疾走させ、桜子がぶら下がる真下へ向かう。
桜子の黒髪が風に舞う。強い風に砂埃も舞い、目に入らないようにぎゅっと瞼を閉じる。
「落ちなさいよ! お前が邪魔なの!」
ダフネの瞳に狂気の色がうかがえる。引きつった顔で桜子を睨んでいた。
「やめて!」
鉄柵を片手で握ってぶら下がるには、限界がある。力がなくなっていき、もうダメだと思ったとき、ディオンの声が真下で聞こえた。
「サクラ! 私が抱き止める! 手を離すんだ!」
約三階分の高さだ。受け止められたとしても、ディオンに怪我をさせてしまうのが怖い。
しかしそうも言っていられない。もう腕がもげそうだ。
ダフネ姫は業を煮やしたのか、衣装の裾を持ち上げ、靴を履いた足で桜子を蹴ろうとした。
次の瞬間、桜子は目を閉じ、鉄柵から手を離していた。
スーッと真下に落ちていく桜子の身体。
白馬に乗ったままディオンは、その身体をがっしりと受け止めた。
安堵の吐息を漏らしたのち、腕の中の桜子へ視線を向ける。彼女は気を失っていた。
危機一髪だったと、桜子がぶら下がっていた窓を仰ぎ見ると、ラウリがダフネ姫を拘束していた。
ラウリと共に馬を全力疾走させ、桜子がぶら下がる真下へ向かう。
桜子の黒髪が風に舞う。強い風に砂埃も舞い、目に入らないようにぎゅっと瞼を閉じる。
「落ちなさいよ! お前が邪魔なの!」
ダフネの瞳に狂気の色がうかがえる。引きつった顔で桜子を睨んでいた。
「やめて!」
鉄柵を片手で握ってぶら下がるには、限界がある。力がなくなっていき、もうダメだと思ったとき、ディオンの声が真下で聞こえた。
「サクラ! 私が抱き止める! 手を離すんだ!」
約三階分の高さだ。受け止められたとしても、ディオンに怪我をさせてしまうのが怖い。
しかしそうも言っていられない。もう腕がもげそうだ。
ダフネ姫は業を煮やしたのか、衣装の裾を持ち上げ、靴を履いた足で桜子を蹴ろうとした。
次の瞬間、桜子は目を閉じ、鉄柵から手を離していた。
スーッと真下に落ちていく桜子の身体。
白馬に乗ったままディオンは、その身体をがっしりと受け止めた。
安堵の吐息を漏らしたのち、腕の中の桜子へ視線を向ける。彼女は気を失っていた。
危機一髪だったと、桜子がぶら下がっていた窓を仰ぎ見ると、ラウリがダフネ姫を拘束していた。