平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
桜子はビクッと身体を跳ねさせてから、パチッと目を開けた。
黒曜石のような瞳に映ったディオンの姿に安堵し、小さく微笑む。
「ディオンさま……」
「無事でよかった……そなたはこんなときでも笑うんだな」
ディオンの長い指先が、緩ませた頬をそっと撫でる。
「死んじゃうんじゃないかと思っていたから……ディオンさま、受け止めてくださって、ありがとうございます」
「私が真下へ行くまで、よく頑張った。さすが運動神経がいい」
身体を起こそうとすると、右肩に痛みが走り、桜子の顔が顰められる。
「脱臼まではいかないが、体重をかけたせいで当分は痛むだろう」
ディオンは桜子が起きられるように手伝う。
「はい……でも」
そこで、自分を落とした張本人のダフネ姫を思い出す。
「ダフネ姫はっ?」
「拘束し、皇都へ送った。気がふれてしまった。落ち着いたら、パベル神の審判にかけられる。未来の皇妃を殺そうとした罪は免れないからな」
「ダフネ姫があそこにいたなんて……」
桜子はまだ困惑していた。
「サクラ? まさか、また助けようなどと思っていないだろうな?」
「……それは、さすがに……です。ディオンさま、白馬に乗った皇子さまはとてもカッコよかったです」
ダフネ姫のことや落ちたことは忘れようと、心に決めた。
「サクラに褒めてもらうのは嬉しいな」
心から嬉しそうにディオンは笑みを漏らす。
「ディオンさまは、私から言わせれば超絶美形なんですよ? 身分も高くて。そのような人が、ごく普通の私を愛してくれるなんて、不思議で仕方ありません」
「サクラが、ごく普通? とんでもない。そなたは優しく勇敢で、美しく、素晴らしい心の持ち主だ。そんなサクラを愛さずにはいられない」
ディオンの甘い言葉に、桜子は恥ずかしそうにはにかんだ。
そんな桜子をそっと抱きしめ、ディオンは口づけた。
黒曜石のような瞳に映ったディオンの姿に安堵し、小さく微笑む。
「ディオンさま……」
「無事でよかった……そなたはこんなときでも笑うんだな」
ディオンの長い指先が、緩ませた頬をそっと撫でる。
「死んじゃうんじゃないかと思っていたから……ディオンさま、受け止めてくださって、ありがとうございます」
「私が真下へ行くまで、よく頑張った。さすが運動神経がいい」
身体を起こそうとすると、右肩に痛みが走り、桜子の顔が顰められる。
「脱臼まではいかないが、体重をかけたせいで当分は痛むだろう」
ディオンは桜子が起きられるように手伝う。
「はい……でも」
そこで、自分を落とした張本人のダフネ姫を思い出す。
「ダフネ姫はっ?」
「拘束し、皇都へ送った。気がふれてしまった。落ち着いたら、パベル神の審判にかけられる。未来の皇妃を殺そうとした罪は免れないからな」
「ダフネ姫があそこにいたなんて……」
桜子はまだ困惑していた。
「サクラ? まさか、また助けようなどと思っていないだろうな?」
「……それは、さすがに……です。ディオンさま、白馬に乗った皇子さまはとてもカッコよかったです」
ダフネ姫のことや落ちたことは忘れようと、心に決めた。
「サクラに褒めてもらうのは嬉しいな」
心から嬉しそうにディオンは笑みを漏らす。
「ディオンさまは、私から言わせれば超絶美形なんですよ? 身分も高くて。そのような人が、ごく普通の私を愛してくれるなんて、不思議で仕方ありません」
「サクラが、ごく普通? とんでもない。そなたは優しく勇敢で、美しく、素晴らしい心の持ち主だ。そんなサクラを愛さずにはいられない」
ディオンの甘い言葉に、桜子は恥ずかしそうにはにかんだ。
そんな桜子をそっと抱きしめ、ディオンは口づけた。