平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
全国大会常連の剣道部の部室にはシャワールームもあり、桜子は後輩が来る前にと、急いで浴びて制服に着替えた。それからグレーのダッフルコートを羽織った。
高校の名前が入っている真っ赤な竹刀袋の中に、竹刀が二本入っている。防具は更衣室に置きっぱなしだが、竹刀は自宅で整えることもあり、いつも持ち歩いている。それに美少女の桜子は、通学中の電車で痴漢に遭う確率も高い。しかし、竹刀袋を持っていると、そんな目に遭うことはなかった。
桜子は道着の入ったトートバッグを肩に提げ、竹刀袋を持って更衣室を出た。
すでに陽が落ちていて、真冬の木枯らしが頬に当たり、ブルッと身を震わせる。
(今夜はお鍋ってお母さんが言っていたっけ。早く帰って温まろう)
あまりの寒さに頬が赤くなっていく。吐く息が真っ白だ。
桜子は校門を出て、足早に駅に向かう。
桜子の家は学校から電車で三つ目の駅。駅からは徒歩十分くらいだ。電車がすぐに来れば、三十分もかからない距離である。
歩き始めてから少しして、下半身に違和感を覚える。なんだか自分の足がちゃんと地面を踏んでいない気がしたのだ。
桜子は端に寄って立ち止まり、俯く。
高校の名前が入っている真っ赤な竹刀袋の中に、竹刀が二本入っている。防具は更衣室に置きっぱなしだが、竹刀は自宅で整えることもあり、いつも持ち歩いている。それに美少女の桜子は、通学中の電車で痴漢に遭う確率も高い。しかし、竹刀袋を持っていると、そんな目に遭うことはなかった。
桜子は道着の入ったトートバッグを肩に提げ、竹刀袋を持って更衣室を出た。
すでに陽が落ちていて、真冬の木枯らしが頬に当たり、ブルッと身を震わせる。
(今夜はお鍋ってお母さんが言っていたっけ。早く帰って温まろう)
あまりの寒さに頬が赤くなっていく。吐く息が真っ白だ。
桜子は校門を出て、足早に駅に向かう。
桜子の家は学校から電車で三つ目の駅。駅からは徒歩十分くらいだ。電車がすぐに来れば、三十分もかからない距離である。
歩き始めてから少しして、下半身に違和感を覚える。なんだか自分の足がちゃんと地面を踏んでいない気がしたのだ。
桜子は端に寄って立ち止まり、俯く。