OLが男子高校生を拾った話
「わぁ! 美味しそう!」

いろんなものがあって迷っちゃう!

「俺はこれにする」

「紫苑くんはオムライス好きだね」

「うん。好きだよ」

無邪気に笑う彼を見てなぜか胸が高鳴った。

な、なんでこんなにドキドキするんだろう。

ただ“オムライスが”好きって言っただけなのに……

「お姉さん。決まった?」

「決まったよ」

「じゃあ、注文しようか」


たわいもない会話をして料理が運ばれてくるのを待った。

「お姉さんって…」

不意に紫苑くんの声色が変わった。

「彼氏いるの?」

「え…?」

「今更だけど、俺と暮らしてて大丈夫なのかなって思ったから…」

「いないよ」

「……そっか」

紫苑くんは安心したように息をついた。

どうして急にこんなこと聞くの?

「あの…」

私が口を開いた時、注文した料理が運ばれてきた。

「お姉さん、なんか言った?」

「ううん、なんでもない」

バレないように笑って誤魔化した。
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