OLが男子高校生を拾った話
3
「すごい! 綺麗だね!」

「俺のお気に入りの場所なんだ」

「……紫苑くんのお家はこの辺りだったの?」

「うん」

お気に入りの場所、か。

そんな特別なところを私に教えてくれるって、なんか自分も特別な存在だって思ってもらえてる気がして……嬉しい。

私の思い込みだろうけど。


「……さん。お姉さーん」

「ど、どうしたの?」

「お姉さんこそ、ぼーっとしちゃって…大丈夫?」

「大丈夫だよ」

今日は紫苑くんに心配ばかりかけてるような……

「お姉さん、手だして」

言われた通りに紫苑くんのほうに手を出すと、指を絡めて恋人繋ぎをしてきた。

驚いて彼の顔を見る。

「ほら、あったかいでしょ?」

「う、うん」

全身が熱くなる。
なんだか恥ずかしくて、私は下を向いた。

「顔を上げてよ」

ドキドキしすぎて、そんなの無理だって。

彼はめげずに「お願い!」「明日はお姉さんの好きなもの作ってあげるから!」と、私を説得し続けた。

モノで釣ろうなんて、私は子どもじゃないからね!!

でも……
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