やっぱりキミにはかなわない
「そいつの手、はなしてもらえます?」
聞き覚えのある声がして後ろを振り向くと拓が立ってた。
「あ?ガキはひっこんでろ」
「嫌がってるじゃないですか、しかも5対1って卑怯ですよね」
「なんだと?」
そういってわたしの手をつかんでる男以外の4人が拓のほうにいこうとしたとき、
「おまわりさーん!!!こっちです!!!」
とわたしたちからだと死角でみえない方向をみて拓がそう大声で叫んだ。
その瞬間「ちっ」と舌打ちしたかと思うと「いくぞ」といってその5人組はいってしまった。
わたしは力が抜けてそのまま座り込んだ。