青と雲
お母さんは帰りが遅いから、わたしがたいてい夕飯を作ることになる。
テレビをつけて時間とニュースを確認してから冷蔵庫の中身を見る。
……あーやっちゃった。
食べ物があまりない。
大して期待出来ない冷凍庫を確認すると、なんとか材料が見つかった。
両親は、料理をわたしに任せるくせに味が濃いとか酸っぱいとかうるさいからしっかり作らないといけない。
豚の細切りのパックを開けてフライパンに入れる。
肉が焼けたら野菜を炒めていく。
ソースも垂らす。
全体に味が馴染んだら火を止めて皿に移す。
それから味噌汁を作ってご飯が炊けるのを待ったら完成だ。
テレビ番組はいつの間にかバラエティ番組に変わっていた。
ドッキリを仕掛けるものだった。
最近有名な芸人がターゲットで、女優が仕掛け人になっていた。
こういう番組を見ると、生まれ持った役割って決まっているんだなと偏屈に思ってしまう。