青と雲
ちょうど半分くらい読んだところで電話が鳴った。
来た。
ずっと待っていた電話。
「……もしもし?」
毎回あまり興味がないフリをして出てしまう。
正直になればいいのに。
「今日は話しておくことは?」
「あ、聞いてよヨリ。
みなちゃんと図書館の前で会ったんだよ。
やっぱりみなちゃんのお母さんわたしのこと絶対嫌ってるよ」
「それもう何回目だよ」
「やー、むかつくことは何回でもむかつくよ。
毎回聞いてるヨリも大変だよね」
「そうだよ」
悪態をつきながらもなんだかんだでいつも話を聞いてくれる。
そこには過去への申し訳なさも混じっている気がした。
「俺の母さん、またソラの家のこと言ってたぜ」
「なんて?」
「『あんたまさか不登校の子と遊んでなんかないわよね?!』って」
口調があまりに似ていて笑ってしまう。