青と雲
そう言って真似をして見せるとヨリはゲラゲラ笑い出した。
「ほら、笑ってないで。
学校があるでしょ」
「お前こそ」
「いいの、わたしは。
さ、早く行きなよ」
「……もう一回、来いよ」
「……ごめん、それは無理」
「だけど、あいつらだって反省してる」
「反省なんて、意味がない。
時間を返してくれなきゃ、わたしだって行きたくない……」
「怖いのか?」
「怖くなんか」
「じゃあ来いよ、制服着て。
怖くないんだろ?」
「……早く学校行きなよ。
本当に遅刻するよ」
言い切ってドアを閉める。
だけど、すんでのところでヨリが入ってくる。
「なんだよ、出て行けよ!」
強く叩いても全然倒れない。
ヨリ、むかつく。
「出て行けよ……!」
渾身の一撃を与えたつもりだったのに、片手で掴まれてしまう。
こんなに変わっていた。
男子ってこんなに強かったっけって思うくらいに。