青と雲



そう言って真似をして見せるとヨリはゲラゲラ笑い出した。



「ほら、笑ってないで。

学校があるでしょ」



「お前こそ」



「いいの、わたしは。

さ、早く行きなよ」



「……もう一回、来いよ」



「……ごめん、それは無理」



「だけど、あいつらだって反省してる」



「反省なんて、意味がない。

時間を返してくれなきゃ、わたしだって行きたくない……」



「怖いのか?」



「怖くなんか」



「じゃあ来いよ、制服着て。

怖くないんだろ?」



「……早く学校行きなよ。

本当に遅刻するよ」



言い切ってドアを閉める。



だけど、すんでのところでヨリが入ってくる。



「なんだよ、出て行けよ!」



強く叩いても全然倒れない。



ヨリ、むかつく。



「出て行けよ……!」



渾身の一撃を与えたつもりだったのに、片手で掴まれてしまう。



こんなに変わっていた。



男子ってこんなに強かったっけって思うくらいに。




< 18 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop