青と雲
「ソラが学校に行くのも行かないのも俺には関係ない。
でも、いつまで悲劇のヒロイン気取ってるつもりだよ。
外に出る努力も制服を着る努力もしねえくせに、言っていることだけは一人前なんだよ。
自分の力じゃ何も出来ないからって理由も話さずに引き篭もってんのも問題があるんじゃねえの?」
「ヨリはなにも分かんないじゃん!」
「そんなの当たり前だろ。
エスパーじゃねえし」
「わたしはなんにも悪くないのに、なんでいつもいつもわたしばっかり悪くならなきゃいけないんだよ!」
「被害妄想だろ。
ソラにも悪いところはある。
ほら、そうやって自分の非は棚に上げるところとか」
「ヨリはいいよね。
いつもいつも、何もしなくてもいい人が周りに集まってくるんだから。
わたしは、どんなに頑張ってもあの子達のことが分からない!」
突然、ヨリが家に上がって靴箱のそばの姿見を持ってきた。
人の話、聞けよ。
「いいか。お前はこんな格好をしているんだよ」
逃げられないようにするためか、ヨリも私の後ろに見える。
手を置かれた肩が、場違いに熱い。