青と雲
「……じゃあ、俺はもう行くわ。
遅刻するから」
言ってしまった。どうしよう。
ヨリの言っていることは正しいのに、わたしはなんで。
ドアが虚しく閉まる。
永遠に開くことがないような重厚感を持って。
「……ぁ……うぁ……」
辛いんだか、悲しいんだか、惨めなんだか、悔しいんだか、よく分からない。
全ての負の感情がぐちゃぐちゃになる。
「うああああぁぁぁ……」
自分がここまで嫌になったのは初めてだった。
こんなにわがままだったなんて。
いや、知っていた。
学校に行かないことでわたしは醜い自分を誰にも見せないように保ってきていただけで。
本当は、人の気持ちも分からないような、平気で人を傷つける言葉を言えてしまう、救いようのないどうしようもないやつなんだ。
泣き叫びながら、「山月記」を思い出していた。
去年、まだ学校に通っていた時、印象的だった隴西の李徴。