青と雲



汚い。汚い。汚い。



物理的にも、精神的にも、全てが汚い。



姿見を倒す。



「ああぁぁぁ!」



癇癪が始まったら抑えられないところも、傲慢なところも、都合の良いところも、全部嫌いだ。



派手な音を立てて玄関中が1片に映し出される。



なんだよ、なんだよ!



わたしだって!



わたしだって、本当は学校に行きたいのに!



「わたしばっかり……!」



ガシャガシャと耳障りに響く。



「こんなもの……!」



映る醜い自分を見たくなくて破片を払う。



「うあああぁぁ!」



理性も何もない獣のように暴れるのが心地よかった。



ふと腕を見ると、血がどくどくと流れていた。



「……はは、だっさ。

何やってんの……」



自分で付けた傷にも気付かないくらいに暴れていたことがばかばかしく感じられた。



「痛い……」



鏡を壊して何が変わったのだろう?



腕を怪我して何が変わったのだろう?



ヨリに暴言を吐いて何が変わったのだろう?



わがままを言って何が変わったのだろう?




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