青と雲
結局何一つ変わってなんかない。
むしろ、色んなものを壊してしまった。
「……っ……う……うあああぁぁ………」
消えちゃえ、消えちゃえ。
わたしも、あいつらも、親も。
わたしだけ消えればいいことを他人を巻き込むあたり、やっぱりわたしは自分本位だ。
学校に行けないのは、誰のせいでもない。
わたしが逃げたから。
『あんな』くだらない理由で。
どれくらい泣いていたかは分からない。
空はもう、オレンジ色に染まっていた。
その光に腕をかざすと、血がとても鮮やかに写った。
不思議の国のアリスを思い出す。
鏡が異世界の入口になっていて、白兎が招いている。
立ち上がってほうきとちりとりを持ってくる。
掃除しないと。
がちゃがちゃと音がする。
さっきよりは穏やかに聞こえた。
注意深く、怪我をしないように丁寧に破片を拾っていく。