青と雲
音をわざと大きく鳴らして階段を上る。
それが少し虚しかった。
この程度でしかわたしは反抗できないんだって見せつけられたみたいで。
壊れそうなくらいに力一杯ドアを閉めても、何も変わらないのも惨めだ。
携帯電話を確認しても、ヨリからは電話が1本も入っていない。
自分から追い出したくせに、ヨリを結局追いかけている。
さすがに意地を張り過ぎたと反省して、発信する。
しばらくして、電話の向こうで息をする音がする。
「もしもし、ヨリ?
さっきはごめんね。
完全に八つ当たりだった」
「……いいよ、俺も頭冷やして考えた。
ソラの気持ちも考えずに一方的にこっちの意見押し付けたの、悪かった」
心が急速に穏やかになっていくのが分かる。
「ごめんね。
学校に行けないのは、わたしが悪いんだから」
「誰も好きで学校に行けないんじゃないんだよな」