青と雲



真実なんて、女の子しか知らないのに、訳知り顔で語るやつらにわたしは苛立った。



最後の一口を無理やり押し込むと、皿を片付ける。



テレビの電源も落とす。



気持ちを切り替えて歯を磨いて軽く部屋を掃除しているうちにあっという間に時間になった。



「ソラ」



「いいよ、上がって」



いつもの流れでお茶を部屋に運び、勉強道具を広げる。



「……始めるか」



「うん」



週末になる度、わたしはヨリに勉強を教えてもらっている。



学校を休み出したばかりの頃は勉強なんてするつもりが無かったけれど、最近大学受験なんて単語ががちらちら頭の中に浮かぶ。



そのせいで勉強を始めることになった。



つまらなくはないから飽きっぽいわたしでも続いている。



「古典からにするか」



「お願いしまーす」



何からやっても変わらないから基本はなんでもいい。





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