青と雲
お昼ごはんを挟みながら、残り一科目というところまで来た時、聞こえるはずの無い音が聞こえた。
「……帰って来た?」
「……最悪。ごめん、ヨリ」
「いいよ、こそこそやっていたのも悪いから。
お前の母さんと話してみる」
「何言ってんの、やめなよ。
あんなやつに話すことなんてない。
お願いだから、本当にやめて」
もう二度と顔を合わせたくなかった。
事情を何一つ知ろうとせずにすぐにヒステリーを起こしてしまうお母さんなんて。
怒られるだけならいてもいなくても変わらない。
「……分かったよ、今日はやめておく。
でも次からはちゃんと挨拶するから」
そうこうしている間に、もう階段を上るのが気配で分かる。
「どうしよう」