青と雲
1ページ目を開く瞬間が好きだ。
表紙を見ていてもそれなりに内容は推測出来るけれど、中身を見てみないと分からない。
期待を込めて表紙をめくると、とても鮮明な銀河の写真がある。
すごい。
シルバー一色なのに、カラフルな銀河と比べても全然見劣りがしない。
めくる度に写真が綺麗で派手で、その中に悠久を感じさせるものがある。
めくる、感動する、感想が浮かぶ、めくる、感動する、感想が浮かぶ、と繰り返しているうちにあっという間に見終わってしまった。
次の本を探そうと席を立った時、肩を叩かれた。
「おい、大丈夫なのかよ」
「あ、ヨリ」
「あ、ヨリ、じゃねえよ。
お前ん家の母さんまた怒るんじゃねえの?
近所の噂聞きつけて」
「あーいいのいいの。
わたしとっくに親の顔に泥塗りまくってるから、もう塗る場所なんてないし」
「重なるだろ」
「滑り落ちるでしょ」