No border ~雨も月も…君との距離も~
「 二人を 想わない日は無いって……。

歌っているシンが……たった一人の息子が歌う姿は 誇りだって……。
そう 言ってた。

とても 優しい目をしてて……。

自分の罪から 目を逸らさずに…生きてる気がした。」

「 そんなん……自分から 壊しといて、知らねぇよっ。」

「 私……感じた。

シンは、適当なこと言うなって…怒るかもしれないけど、

私……

シンのお母さん…死ぬつもりなんて、本当は……なかったんじゃないかって……

ごめん……こんなこと 言って。」

「 ……紗奈。」

「 ……あの写真から、感じた……
女の……感、っていうか。」

言ってしまった後に、やっぱり 軽率だったかな……と心配になって 声がすぼむ。

「 そんな真剣な顔で……女の感とか 言うなよ。」

「 ……ごめん。ホント……ごめん。」

「 ……でも、嬉しいよ。(笑)
女の感って……ほぼほぼ 当たるっ。怖ぇぇ~!」

「 何も、知らないくせに……ナマイキな事 言って……ごめん。

でも、シンには 言わずにはいられなくて。

あの写真を見たら……

この人は、愛される人だなぁ~って 感じて。

愛される人って、もしも……信じる人が 間違いをしたり、仮に裏切られる事があったとしても…。」

「 …………。」

「 きっと、愛することを…やめない。」

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