No border ~雨も月も…君との距離も~
*・゚゚・*:.。..。.・゚・*:.。. .。.・゚゚・*
「 からあげ弁当 3つ。」
食品サンプルが並ぶショーケースに 肘をついて、
鈴ちゃんが もう片方の手を ヒラヒラさせている。
「 紗奈ちゃんのお友達?」
「 あっ。はい……。」
バイト先のお店 “ オーガニック・GARDEN ”のママは、私にレジを代わってくれて自分は奥の厨房へと 引っ込んでくれた。
シンが 冷えきって家に帰る頃、私は弁当屋のバイトに出掛ける。
そして……昼過ぎに1度 帰宅して、仕事のある日はBIG4へ。
そんな生活を2年以上 続けている。
「 3つ? 珍しい。いつも2つだし。」
「うん。何でか知りたい!!?」
「 …………。」
いや?……別に?
「 知りたいっ? 」
上目使いで 私を見据える 鈴ちゃんに、思わず一歩下がる。(苦笑)
「あっーーーー。店長の分、大盛りだったよねっ!」
「 知りたいっ?」
「ママ~っ。3つのうち 1つは、大盛りで。」
奥から 「はいよ~!」とママの声が返ってくる。
鈴ちゃんの目が、ズイッと私を捕らえる。
「 もう~!知りたいって言って欲しいんやろぉーーーー(苦笑) 」
私は 金沢弁で 憎めない鈴ちゃんに 乗っかる。
「 あのね~!!!」
鈴ちゃんは、待ってましたとばかりに……今さら店内をキョロキョロ気にして 小声で話し始めた。
「ashの元マネージャー。
元……っていうか、自称マネージャー!!
戻ってくるらしいよ。」
「 ……。へぇ~。そんな人、いたんだ。」
「 東京の音楽アカデミー? スクール?みたいなところで マネジメントの勉強してたらしいんだけど
卒業して 金沢へ帰ってくるんだって。」
「 で。その自称マネージャーさんが来てるの?」
「 そういう事。」
「それで……お弁当3つ。」
「そういう事。 晴れて…敏腕マネージャーにでも なる気なのかな~~。」
鈴ちゃんはそう言って、ため息らしきものを吐き出した。
たぶん……あまりその人の事を 良く思っていない
言い方。
「へぇ~。」
「へぇ~じゃないよぉーーーー!!その女っ!
シンの事が 好きすぎて、東京まで勉強しに行ったとか……何とか……。
ファンの子の間では 有名な話なんだよね。」
女。 なんだ。
「ash……じゃなくて、シン?(笑)
なんか……熱いね。」
「…………だね。(困)
どっちにしても噂は色々あった人だから、気がついたら 弁当買う理由つけて 紗奈に報告に来ちゃったのつ!!」
鈴ちゃんは 事情をイマイチ飲み込めていない私のやんわりした態度に もどかしそうな表情をする。
ママが 厨房の小窓から からあげ弁当を3つ差し出す。
「 毎度っ! 紗奈ちゃんも、今のうちに休憩入っていいよ。」
鈴ちゃんに 弁当入りのレジ袋を渡すと、私はエプロンを はずした。
「 からあげ弁当 3つ。」
食品サンプルが並ぶショーケースに 肘をついて、
鈴ちゃんが もう片方の手を ヒラヒラさせている。
「 紗奈ちゃんのお友達?」
「 あっ。はい……。」
バイト先のお店 “ オーガニック・GARDEN ”のママは、私にレジを代わってくれて自分は奥の厨房へと 引っ込んでくれた。
シンが 冷えきって家に帰る頃、私は弁当屋のバイトに出掛ける。
そして……昼過ぎに1度 帰宅して、仕事のある日はBIG4へ。
そんな生活を2年以上 続けている。
「 3つ? 珍しい。いつも2つだし。」
「うん。何でか知りたい!!?」
「 …………。」
いや?……別に?
「 知りたいっ? 」
上目使いで 私を見据える 鈴ちゃんに、思わず一歩下がる。(苦笑)
「あっーーーー。店長の分、大盛りだったよねっ!」
「 知りたいっ?」
「ママ~っ。3つのうち 1つは、大盛りで。」
奥から 「はいよ~!」とママの声が返ってくる。
鈴ちゃんの目が、ズイッと私を捕らえる。
「 もう~!知りたいって言って欲しいんやろぉーーーー(苦笑) 」
私は 金沢弁で 憎めない鈴ちゃんに 乗っかる。
「 あのね~!!!」
鈴ちゃんは、待ってましたとばかりに……今さら店内をキョロキョロ気にして 小声で話し始めた。
「ashの元マネージャー。
元……っていうか、自称マネージャー!!
戻ってくるらしいよ。」
「 ……。へぇ~。そんな人、いたんだ。」
「 東京の音楽アカデミー? スクール?みたいなところで マネジメントの勉強してたらしいんだけど
卒業して 金沢へ帰ってくるんだって。」
「 で。その自称マネージャーさんが来てるの?」
「 そういう事。」
「それで……お弁当3つ。」
「そういう事。 晴れて…敏腕マネージャーにでも なる気なのかな~~。」
鈴ちゃんはそう言って、ため息らしきものを吐き出した。
たぶん……あまりその人の事を 良く思っていない
言い方。
「へぇ~。」
「へぇ~じゃないよぉーーーー!!その女っ!
シンの事が 好きすぎて、東京まで勉強しに行ったとか……何とか……。
ファンの子の間では 有名な話なんだよね。」
女。 なんだ。
「ash……じゃなくて、シン?(笑)
なんか……熱いね。」
「…………だね。(困)
どっちにしても噂は色々あった人だから、気がついたら 弁当買う理由つけて 紗奈に報告に来ちゃったのつ!!」
鈴ちゃんは 事情をイマイチ飲み込めていない私のやんわりした態度に もどかしそうな表情をする。
ママが 厨房の小窓から からあげ弁当を3つ差し出す。
「 毎度っ! 紗奈ちゃんも、今のうちに休憩入っていいよ。」
鈴ちゃんに 弁当入りのレジ袋を渡すと、私はエプロンを はずした。