No border ~雨も月も…君との距離も~
タクを亡くして、自分の 小いささと無力さに 気づかされた。
ベースにサポートメンバーを加えればいいと、簡単に割り切れないのは…ashが 完璧 過ぎたせいだ。
技術…うんぬんじゃなくて、もっと深いところでタクじゃないと…ashじゃない。
「 マジで。本当は、こんなの望んでやってねぇーーつーの。」
長瀬が、命綱のフックを指差して 苦笑する。
「 たまにさぁ…もう、限界かな…って。無理なのかなぁ~って。
夢って、いつか…本当に叶うのかなぁ~って。」
シンは黙って 長瀬の方に顔を向ける。
いちいち…刺さる。
長瀬は シンの弁当に目をやると、残り一つの卵焼きに手を伸ばした。
高速で口に頬張る。
「 あ”ーーーーーっ! おいっ!!(怒) 」
「 うぅわぁ~♡ めっちゃ旨っ!! 」
長瀬は シンを茶化すように笑って 立ち上がると、こっちを見下ろして また 笑った。
俳優の卵だけあって…よく見ると どんな役にもはまりそうな 塩顔。
スッとした涼しげな目元は、笑うとくしゃっとして 相当 モテ顔 かもしれない。
「 俺、お前の歌なんか 興味 無いからなっ。」
そう言って ニィーーーーっと笑う 長瀬に シンも少し笑ってみせた。
どぉーーーでも、いいしっ!!(苦笑)
「 料理、 上手いんだな。 お前の彼女。」
長瀬は、二つ目のパンを口に頬張ると 空になったコーヒーの缶を振りながら 車へと戻って行った。
家に帰る頃、紗奈は とっくに金沢に着いているだろう。
この弁当箱は 自分で洗って…明日はきっと コンビニ弁当。
当たり前だったことなのだけど、夢に躓くと…普通の事が ひどく苦痛に感じる。
孤独に…感じる。
夢を叶えて… 食って行ける。
食わせて…やれる。 なんて…
情けないけど 単純にそう思っていた。
情けない。
全く…前が見えないし、
単純に…どうしていいか 分からない。
声の無い 自分。 叫びすら…声にならない。
とりあえず、休学中だった美大へ戻った タケル。
自分の言った一言を責めて 連絡の無い 翔平。
けれど…責められるべきは 翔平じゃない。
俺…………なんだ。
あの日、“ 頭を冷して来いっ ” と言ったのは翔平だけど そもそも タクが頭を冷さなければ いけない原因を作ったのは……俺、なんだ。
翔平は 悪くない。
俺だ。
トルネードする ネガティブが アルコールに救いを求めてしまう。
ベースにサポートメンバーを加えればいいと、簡単に割り切れないのは…ashが 完璧 過ぎたせいだ。
技術…うんぬんじゃなくて、もっと深いところでタクじゃないと…ashじゃない。
「 マジで。本当は、こんなの望んでやってねぇーーつーの。」
長瀬が、命綱のフックを指差して 苦笑する。
「 たまにさぁ…もう、限界かな…って。無理なのかなぁ~って。
夢って、いつか…本当に叶うのかなぁ~って。」
シンは黙って 長瀬の方に顔を向ける。
いちいち…刺さる。
長瀬は シンの弁当に目をやると、残り一つの卵焼きに手を伸ばした。
高速で口に頬張る。
「 あ”ーーーーーっ! おいっ!!(怒) 」
「 うぅわぁ~♡ めっちゃ旨っ!! 」
長瀬は シンを茶化すように笑って 立ち上がると、こっちを見下ろして また 笑った。
俳優の卵だけあって…よく見ると どんな役にもはまりそうな 塩顔。
スッとした涼しげな目元は、笑うとくしゃっとして 相当 モテ顔 かもしれない。
「 俺、お前の歌なんか 興味 無いからなっ。」
そう言って ニィーーーーっと笑う 長瀬に シンも少し笑ってみせた。
どぉーーーでも、いいしっ!!(苦笑)
「 料理、 上手いんだな。 お前の彼女。」
長瀬は、二つ目のパンを口に頬張ると 空になったコーヒーの缶を振りながら 車へと戻って行った。
家に帰る頃、紗奈は とっくに金沢に着いているだろう。
この弁当箱は 自分で洗って…明日はきっと コンビニ弁当。
当たり前だったことなのだけど、夢に躓くと…普通の事が ひどく苦痛に感じる。
孤独に…感じる。
夢を叶えて… 食って行ける。
食わせて…やれる。 なんて…
情けないけど 単純にそう思っていた。
情けない。
全く…前が見えないし、
単純に…どうしていいか 分からない。
声の無い 自分。 叫びすら…声にならない。
とりあえず、休学中だった美大へ戻った タケル。
自分の言った一言を責めて 連絡の無い 翔平。
けれど…責められるべきは 翔平じゃない。
俺…………なんだ。
あの日、“ 頭を冷して来いっ ” と言ったのは翔平だけど そもそも タクが頭を冷さなければ いけない原因を作ったのは……俺、なんだ。
翔平は 悪くない。
俺だ。
トルネードする ネガティブが アルコールに救いを求めてしまう。