No border ~雨も月も…君との距離も~
「 はぁ………… ねぇ。 シン…… 」
夏香は シンの胸から 少し身体を起こすと じっとその瞳を見つめた。
ほんの 少しの期待。
もしかしたら…男だったら この腕を止めないかもしれない。
シンじゃなくて、男でいい。
「 シン………好きだよ。」
男と女で…いい。
「 私………。 シンのことが 好きだよ。」
シンは こめかみを押さえて、ゆっくり身体を起こす。
まだ おぼろ気な 表情を残して 首をかしげる。
「 ………………ん…ぁ。はぁ… 」
「 …シン。 抱いて…。」
男で いいから…
「 ………………夏…香? 」
私を…見なくていいから。本能でいい。
「 ……ご…めん。 夏香…」
「 ………いいよ。 いいんだよ…。」
夏香は そう言って 自分の下着の肩を落とす。
「 ごめん。俺………………どうか してる。」
シンは、こめかみをもう一度押さえて 首を振る。
「 ごめんじゃないっ。ごめんじゃ…ないよ。」
「 ………………。」
言葉がうまく 声にならない。
夏香の目に涙が溢れる。
激しい感情が涙に変わる。
「 ごめんで……おさまらないよ。
どうして、どうして私じゃダメなの…?」
「 ………水。 水は………?」
ベッドから、 少しふらつきながら立ち上がろうとするシンの手首を夏香は 両手で捕まえる。
「 抱いてよ。 シン………。」
そのまま 勢いよく下着を外す 夏香にシンは静かに身体の向きを戻す。
「 …夏香、待てよ。」
シンは 掠れる喉に力を込めて 夏香の手を止める。
「 落ち着けって…やめろって。」
「 やめない……。」
「 ………夏香。」
シンは 上半身を露にした夏香から そっと目を伏せながら 彼女を抱き寄せると 上着を肩にかける。
「 どうして……紗奈ちゃんなの?
私は こんなにシンを 好きなのに………。」
玄関のダウンライトのみの 薄暗い部屋で、夏香が
泣きじゃくる。
「 どうして、私じゃダメなの………?」
「 夏香、 服…着て。」
「 そうやって、理由を言わない所も ズルい。
私は代わりになれないの?」
「 ………………。」
黙るシンの 前髪を夏香はそっと かきあげて…爪先をあげる。
涙の味がする 唇。
純愛…なんてなくていい…男の本能で抱いてくれれば それでいいのに…。
「 夏香は、夏香だろ。
誰かの代わりになんかなる必要がないよ…。」
シンは そう言って 唇を離すと、フラフラとシャツに腕を通した。
夏香は シンの胸から 少し身体を起こすと じっとその瞳を見つめた。
ほんの 少しの期待。
もしかしたら…男だったら この腕を止めないかもしれない。
シンじゃなくて、男でいい。
「 シン………好きだよ。」
男と女で…いい。
「 私………。 シンのことが 好きだよ。」
シンは こめかみを押さえて、ゆっくり身体を起こす。
まだ おぼろ気な 表情を残して 首をかしげる。
「 ………………ん…ぁ。はぁ… 」
「 …シン。 抱いて…。」
男で いいから…
「 ………………夏…香? 」
私を…見なくていいから。本能でいい。
「 ……ご…めん。 夏香…」
「 ………いいよ。 いいんだよ…。」
夏香は そう言って 自分の下着の肩を落とす。
「 ごめん。俺………………どうか してる。」
シンは、こめかみをもう一度押さえて 首を振る。
「 ごめんじゃないっ。ごめんじゃ…ないよ。」
「 ………………。」
言葉がうまく 声にならない。
夏香の目に涙が溢れる。
激しい感情が涙に変わる。
「 ごめんで……おさまらないよ。
どうして、どうして私じゃダメなの…?」
「 ………水。 水は………?」
ベッドから、 少しふらつきながら立ち上がろうとするシンの手首を夏香は 両手で捕まえる。
「 抱いてよ。 シン………。」
そのまま 勢いよく下着を外す 夏香にシンは静かに身体の向きを戻す。
「 …夏香、待てよ。」
シンは 掠れる喉に力を込めて 夏香の手を止める。
「 落ち着けって…やめろって。」
「 やめない……。」
「 ………夏香。」
シンは 上半身を露にした夏香から そっと目を伏せながら 彼女を抱き寄せると 上着を肩にかける。
「 どうして……紗奈ちゃんなの?
私は こんなにシンを 好きなのに………。」
玄関のダウンライトのみの 薄暗い部屋で、夏香が
泣きじゃくる。
「 どうして、私じゃダメなの………?」
「 夏香、 服…着て。」
「 そうやって、理由を言わない所も ズルい。
私は代わりになれないの?」
「 ………………。」
黙るシンの 前髪を夏香はそっと かきあげて…爪先をあげる。
涙の味がする 唇。
純愛…なんてなくていい…男の本能で抱いてくれれば それでいいのに…。
「 夏香は、夏香だろ。
誰かの代わりになんかなる必要がないよ…。」
シンは そう言って 唇を離すと、フラフラとシャツに腕を通した。