No border ~雨も月も…君との距離も~
16章 No border
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「 お願い……チャー君。このミサンガ もう一度…繋げて。」
鈴ちゃんは、チャー君の胸で泣いた。
私は そんな鈴ちゃんの後ろ姿に、後から後から
こぼれる涙を止められないでいた。
「 じゃ…ないと、私 能登まで一人で 帰れない。」
“ どこに居ても、どこを見ても、何をしていても、ここには タクとの思い出が ありすぎる。”
そう言って 鈴ちゃんは、能登の実家に帰ることにした。
BIG4に挨拶をした後、1日に数本しかないバスの時間まで 私は鈴ちゃんの行きたい場所に付き合った。
竪町、“ No border ” (ノーボーダー)
チャー君の シルバーアクセのお店。
「 鈴ちゃん……。 このミサンガに どんな願い事をしたの? 」
チャー君は 切れたミサンガと鈴ちゃんを 交互に見つめた。
「 ずっと………二人、一緒にいられますように…。」
息を震わせながら…鈴ちゃんは俯いた。
チャー君は うん…と小さく頷いて、
「 一度 切れてしまったミサンガを、元に戻すことは出来ないんだ…。」 と優しく言った。
鈴ちゃんは、古くなって色褪せたミサンガを握りしめる。
「 自然に切れたミサンガは…作った僕が 処分しとくよ。 ……大丈夫。
それが、最良の方法なんだ。」
鈴ちゃんは、ぎゅっと…涙の瞳を閉じる。
「 タクと…お揃いだった。 タク、右手につけたまま…逝っちゃった。
私を 置いて…逝っちゃったよぉぉぉ…… 」
胸が……苦しい。
私は 座り込む鈴ちゃんを抱き寄せた。
「 鈴ちゃんとタクちゃんは…ずっと一緒だよ。」
「 ……紗奈。 紗奈………なんで?なんで……だろう。」
私は ひたすら鈴ちゃんを抱きしめる。
「 なんで、切れちゃうの……。うう……えっ…
え。」
どうにもならなくて、耐えていた哀しみが溢れかえる。
泣きたい…泣きたいんだよ。
枯れてしまうまで…泣きたい。
私と鈴ちゃんは、チャー君の店で 思い切り嗚咽した。
少し薄暗い照明に甘えて…ぐちゃぐちゃにした顔で…泣いた。
どのくらい泣いたか…黙って見守ってくれていたチャー君が こもった声を開いた。
「 鈴ちゃん…何色が好き?」
「 ………。」
「 何色が好きかな?」
「水………色。 」
「 うん。 じゃぁ…ピンクと水色の交ざったヤツ。
…コレに しょっか。」
ずらっと並ぶミサンガの中から チャー君は迷うことなく 一本、それを選び出した。
「 お願い……チャー君。このミサンガ もう一度…繋げて。」
鈴ちゃんは、チャー君の胸で泣いた。
私は そんな鈴ちゃんの後ろ姿に、後から後から
こぼれる涙を止められないでいた。
「 じゃ…ないと、私 能登まで一人で 帰れない。」
“ どこに居ても、どこを見ても、何をしていても、ここには タクとの思い出が ありすぎる。”
そう言って 鈴ちゃんは、能登の実家に帰ることにした。
BIG4に挨拶をした後、1日に数本しかないバスの時間まで 私は鈴ちゃんの行きたい場所に付き合った。
竪町、“ No border ” (ノーボーダー)
チャー君の シルバーアクセのお店。
「 鈴ちゃん……。 このミサンガに どんな願い事をしたの? 」
チャー君は 切れたミサンガと鈴ちゃんを 交互に見つめた。
「 ずっと………二人、一緒にいられますように…。」
息を震わせながら…鈴ちゃんは俯いた。
チャー君は うん…と小さく頷いて、
「 一度 切れてしまったミサンガを、元に戻すことは出来ないんだ…。」 と優しく言った。
鈴ちゃんは、古くなって色褪せたミサンガを握りしめる。
「 自然に切れたミサンガは…作った僕が 処分しとくよ。 ……大丈夫。
それが、最良の方法なんだ。」
鈴ちゃんは、ぎゅっと…涙の瞳を閉じる。
「 タクと…お揃いだった。 タク、右手につけたまま…逝っちゃった。
私を 置いて…逝っちゃったよぉぉぉ…… 」
胸が……苦しい。
私は 座り込む鈴ちゃんを抱き寄せた。
「 鈴ちゃんとタクちゃんは…ずっと一緒だよ。」
「 ……紗奈。 紗奈………なんで?なんで……だろう。」
私は ひたすら鈴ちゃんを抱きしめる。
「 なんで、切れちゃうの……。うう……えっ…
え。」
どうにもならなくて、耐えていた哀しみが溢れかえる。
泣きたい…泣きたいんだよ。
枯れてしまうまで…泣きたい。
私と鈴ちゃんは、チャー君の店で 思い切り嗚咽した。
少し薄暗い照明に甘えて…ぐちゃぐちゃにした顔で…泣いた。
どのくらい泣いたか…黙って見守ってくれていたチャー君が こもった声を開いた。
「 鈴ちゃん…何色が好き?」
「 ………。」
「 何色が好きかな?」
「水………色。 」
「 うん。 じゃぁ…ピンクと水色の交ざったヤツ。
…コレに しょっか。」
ずらっと並ぶミサンガの中から チャー君は迷うことなく 一本、それを選び出した。