No border ~雨も月も…君との距離も~
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10月 東京 ー新宿ー

「 お~いっ(汗) マジかよぉ。
何やってんだよ……あいつ。 信じらんねぇ!! 」

ミナトは、たった今 買った品物を レジの女の子から慌てて受け取ると、コンビニの外へと 飛び出した。

そして……

飲みすぎて危うい目のシンと、いかにも面倒くさそうな…(!!) ヤカラ達の 間に割って入った。

「 あぁ~。スイマセン、スイマセン。
本当っ。すんません!!(苦笑) はっはは……(汗) 」

ミナトは シンの代わりに愛想よく謝ると、今にも相手に殴りかかりそうなほどの シンを必死で制御した。

「 すんません!!ホント。
こいつ…かなり酔ってるもんで、後で…よく言って聞かせますんでっ。」

「 うるっせっ!」

シンは 相手を睨みながら ミナトの手を振り払おうとする。

「 あ“ぁぁん?!! そっちから ぶつかって来やがって、睨まれる覚えねぇ~んだわぁっ! 兄ちゃんっ!! 」

「 (汗) でーーすよね。 はい。
こいつ…こんな、睨んでる顔なんすよぉ~(苦笑)ホント、すみません! 」

「 離せっ……つ~のっ!!」

失笑で誤魔化す ミナトにまでシンは 噛みつきにかかる。

と………、

「 チッ………。覚えとけよっ。こらぁ~っ!」

「 今度、会ったら…ボコるぞっ!!」

数メートル先に、巡回する警官数人を見つけたせいか シンの足元に ツバを吐きつけて ヤカラ達は その場をすっと離れていった。

「 ………はぁ。た…すかった。
マジかよぉ…。何があったら こーなるぅ? 」

「 あっちが ド突いて来たから、ド突き返した。」

うわぁ………。(失笑)

最悪。

無茶…な。

いつか…翔平が 笑って言ってたけど…

永遠の 中二病。

それが、シンだって…。

“ 最近、かなり大人になった… ” って笑う翔平を思い出して、ミナトはため息と一緒に 苦笑いをする。

あっ……やべっ。

警官が2人、こっちに向かってくる気がする。

「 シン……黙って歩け。」 やや小声。

「 ほっといて下さいよっ!」

「 いいから、歩けってのっ!!ほっとけねぇだろーーがっ!!」 だいぶ小声。

「 ………………。」 ちょっと、察する。

「シン…。お前さぁ、ちゃんと考えろっ!
メジャー、甘くねぇよっ。」

“ シン君、メジャーですって…。”

いつかのタクの声が ミナトの声と重なる。

さりげなく 警官達を やり過ごした シンとミナトは何とか乗ることが出来た 最終電車で 息をついた。


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