No border ~雨も月も…君との距離も~
同じく酔っている人か、眠っている人か…車内はいつもより やたらと静かに感じて 電車の走行音の繰り返しと車内アナウンスに シンは 少し平常心を取り戻した。
流れていく夜の明かりの点を 追うことに疲れて…目を閉じる。
「 ……ミナトさん。 すみません。」
「 あぁ。 ったく…息あがるし、サツに睨まれるし…。俺、朝から仕事だっつーの!
レディマッシュでお前に会ってしまったのが…運のつきだよ(苦笑) 」
「 明日…イベントでしたもんね。
すみません。」
「 ……ええよっ(笑) 」
「 ミナト……さん。
ミナトさんは……どうしてPAしようと思ったんですか? 」
「 俺、? 俺は お前みたいに表に立つ人間じゃないんだ。
音楽、オタク。(笑)
音の分析とか……基本、製作してる方が好きなんだよね。
……てか、聞けよっ!(笑) 人の話っ!!
寝るかよっ!!(笑) 」
「 ねぇ……ミナ……トさん。」
「 起きてんのかよっ!(笑) 」
「 ……表にしか立てないって…怖いですよね。」
「 ………………。」
「 俺……。 金沢、帰りたいっス。」
シンは座席に沈み込むように座って…目を閉じる。
「 …………。めちゃくちゃ情けねぇ~なぁ。
挫折のつもりか?
挫折ってのはな、もっとあんだよ…。
もっと怖いこと、ムカつくこと…いっぱい あんだよ。
……てか、寝るなっ!!(苦笑)
いい話、してやろうとしてんのに……(笑)
なぁ。 シン……。
いきなり 死なれるのも たまんねぇけど、生きてる人間は もっとたまったもんじゃねぇ。
裏切ったり…騙したり…差別したり、孤独だったり。
挫折なんて もっとある。」
シンは、目を閉じたまま 頷く。
「 ここ(芸能界)で生きていきたいなら…もっと強くなれっ。」
強くなれっ。
ここで……生きる。
タクの迷いが 今更ながら、よくわかる。
けれど、ここで生きるしか…俺の求めるものは どこにもない。
ここにしか、ない。
俺という人間は 歌を失くしたら…音を失くしたら…。
それが…一番 怖い。
流れていく夜の明かりの点を 追うことに疲れて…目を閉じる。
「 ……ミナトさん。 すみません。」
「 あぁ。 ったく…息あがるし、サツに睨まれるし…。俺、朝から仕事だっつーの!
レディマッシュでお前に会ってしまったのが…運のつきだよ(苦笑) 」
「 明日…イベントでしたもんね。
すみません。」
「 ……ええよっ(笑) 」
「 ミナト……さん。
ミナトさんは……どうしてPAしようと思ったんですか? 」
「 俺、? 俺は お前みたいに表に立つ人間じゃないんだ。
音楽、オタク。(笑)
音の分析とか……基本、製作してる方が好きなんだよね。
……てか、聞けよっ!(笑) 人の話っ!!
寝るかよっ!!(笑) 」
「 ねぇ……ミナ……トさん。」
「 起きてんのかよっ!(笑) 」
「 ……表にしか立てないって…怖いですよね。」
「 ………………。」
「 俺……。 金沢、帰りたいっス。」
シンは座席に沈み込むように座って…目を閉じる。
「 …………。めちゃくちゃ情けねぇ~なぁ。
挫折のつもりか?
挫折ってのはな、もっとあんだよ…。
もっと怖いこと、ムカつくこと…いっぱい あんだよ。
……てか、寝るなっ!!(苦笑)
いい話、してやろうとしてんのに……(笑)
なぁ。 シン……。
いきなり 死なれるのも たまんねぇけど、生きてる人間は もっとたまったもんじゃねぇ。
裏切ったり…騙したり…差別したり、孤独だったり。
挫折なんて もっとある。」
シンは、目を閉じたまま 頷く。
「 ここ(芸能界)で生きていきたいなら…もっと強くなれっ。」
強くなれっ。
ここで……生きる。
タクの迷いが 今更ながら、よくわかる。
けれど、ここで生きるしか…俺の求めるものは どこにもない。
ここにしか、ない。
俺という人間は 歌を失くしたら…音を失くしたら…。
それが…一番 怖い。