No border ~雨も月も…君との距離も~
「 タケちゃん、シン君 泣かしたぁーーー♡ 」

ジェイが 優しく二人を茶化した。

「 (笑) 気のせいだよ。」

「 泣いてるじゃん(笑) 」

「 泣いてねぇーーーしっ! 」

「 泣いてるっつーーのっ(笑) ホラ~ホラホラっ!」

「 泣かねっつーーーの。(笑) 」

「 素直じゃねぇなぁ~! 俺が戻ってきて…嬉しいって言えよぉーーっ!(笑) 」

「 嬉しいっス 」

「 ……おいっ。素直かよっ!! 」

笑いながら シンの頭をワチャワチャするタケルも、目を赤くして鼻をすすった。

シンの瞳から、 笑う涙が落ちる。


どう…………生きる。


「 ちょっとぉー。私、本格的にギター弾くの2年ぶりなんだけど~! 」

天井を見上げて…その涙をシャツの袖で抑えるシンをミナトは 見ないフリをする。

「 だいじょーぶっ!! ここには 音の取れないボーカルもいるから、マイペースにやろうぜ。 ジェイ。」

「 まっ。そうね。

この際…私のペースでやらせていただくわよ。

乗せられた舟ですもんねーーー!

文句、言わせないわよ。(笑) 」

「 なぁ。 シンっ。

俺はやるからには…ashを越えるつもりだよ。」

ミナトはタクのベースのフレーズを弾いてみせると、シンを見つめた。

「 …ああ。 越えなきゃ……。

ここにいる 意味が分からなくなる……。」

ミナトは、フッと笑うと力強く ベースの弦を弾いた。

一番 狭いSスタが、本当に狭く感じた。

……4人、いる。

“ 泥臭く 歌えっ!! ”

ついてくる奴だけ ついてくれば いいっ!!

長瀬の言葉が 胸に響いた。


どう……生きるか、

答えは 自分にしか出せない。


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