No border ~雨も月も…君との距離も~
「 ……なら、歌ってよ。 私の為に歌ってよ!!」
夏香は、シンの腕を引っ張る。
廊下で 事務所の後輩が、なんだか ただ事で無い空気を感じて、軽く頭を下げてすれ違う。
「 シンは、私の傍にいるって言うけれど…… 」
夏香は 後輩に聞こえないように……小声で 喉を詰まらせながら、シンを真っ直ぐ見つめる。
「 愛してる……とは言わない。
好きだよって……言ってくれないっ!! 」
「 ……夏香……。」
シンは、夏香の手を そっと外す。
「 今日の 夏香……おかしいよ。
やっぱり、家に帰った方がいい…疲れてるんじゃね。」
「 4年も……4年も立つのに、シンは私を 一度も見てないよっ!
紗奈ちゃんを見ていた目で……私を 一度も見てない……見てない……よ。」
「 落ち着けって……。」
紗奈…… その名前に、締め付けられる。
4年も前なのに、置き去りの心に 気づいてしまう。
仕舞い込んだ 気持ちに 苦しくなる。
シンは 興奮ぎみに声を震わせる夏香を抱き寄せる。
「 今日は……帰れよ。」
シンの肩で 夏香の力が抜ける。
抱きしめられて…少し冷静になる。
「 こんなので…炎上するんなら、俺が付けなければいいんじゃね。」
シンは 手首のブランド物の ブレスを外す。
「 なっ!(笑) 」
「 シン……。」
夏香は 少しオーバーに片足を引きずると シンの背中に抱きついた。
体重をかけて、身体を委ねる。
「 お願い。 傍に……いて。」
お願いっ、
私の 傍に……いて。
夏香は、シンの腕を引っ張る。
廊下で 事務所の後輩が、なんだか ただ事で無い空気を感じて、軽く頭を下げてすれ違う。
「 シンは、私の傍にいるって言うけれど…… 」
夏香は 後輩に聞こえないように……小声で 喉を詰まらせながら、シンを真っ直ぐ見つめる。
「 愛してる……とは言わない。
好きだよって……言ってくれないっ!! 」
「 ……夏香……。」
シンは、夏香の手を そっと外す。
「 今日の 夏香……おかしいよ。
やっぱり、家に帰った方がいい…疲れてるんじゃね。」
「 4年も……4年も立つのに、シンは私を 一度も見てないよっ!
紗奈ちゃんを見ていた目で……私を 一度も見てない……見てない……よ。」
「 落ち着けって……。」
紗奈…… その名前に、締め付けられる。
4年も前なのに、置き去りの心に 気づいてしまう。
仕舞い込んだ 気持ちに 苦しくなる。
シンは 興奮ぎみに声を震わせる夏香を抱き寄せる。
「 今日は……帰れよ。」
シンの肩で 夏香の力が抜ける。
抱きしめられて…少し冷静になる。
「 こんなので…炎上するんなら、俺が付けなければいいんじゃね。」
シンは 手首のブランド物の ブレスを外す。
「 なっ!(笑) 」
「 シン……。」
夏香は 少しオーバーに片足を引きずると シンの背中に抱きついた。
体重をかけて、身体を委ねる。
「 お願い。 傍に……いて。」
お願いっ、
私の 傍に……いて。