No border ~雨も月も…君との距離も~
シンの腕が 私をそっと 抱き寄せる。

まるで…少年が初めて女の子に触れるように……ぎこちなく……言葉とは裏腹に、少し遠慮するかのように…私の肩に触れる。

その腕が、すぐに溶け込めるように……

私はシンの腰に回した手に力を込める。

シンよりも……強く。

ずっと、強く。


もう……離さないことを、許して……。

お願い……許して。



私の腕に答えるように、シンは私の肩に額をつける。



「 おかえり……シン。 大好きだよ。
ずっと……大好きだったよ。」

ケラッと笑う彼は 私の額に、自分の額をくっつける。

「 (笑) 」

「 (笑) 」

軽く……唇を合わすと、もう一度 見つめ直して……


4年を埋める キスをした。


4年を埋める唇は……こんなに 自然に 一つになれる。

まるで、3日ぶりのような……



シンと離れた4年という距離は、彼と 一緒にいることが自然だということを教えてくれた。


シンは不思議。

シンといると不思議なことにだらけ。

私は……簡単に幸せになれる。

彼がいるだけで……全部が 幸せに感じる。

全部が、幸せになる。
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