No border ~雨も月も…君との距離も~
「 うん。シンの飛行機よりちょっと先にLAからハワイに着いてたの。」

シンは、抱いていた美音を 肩から下ろす。

「 ほら、美音 鈴ママっ!!」

「 Helloっ!! 鈴ママーーーー♡
Helloっ!! チャーーーーー♡ 」

「 美音ーーーーっ♡ 久しぶりっ(笑) 」

鈴ちゃんとチャー君は 大きなスーツケースを並べて、二人で 思いっきり手を振っていた。

鈴ちゃんの手首には チャー君と同じ色のミサンガが揺れる。

ハワイの 吸い込まれそうに高い……青い空に、
二人、とても馴染んでいて 眩しすぎるよ。



「 チャー君、鈴ちゃん……結婚 おめでとう。」


どこにいても、誰といても……君への想いは変わらない。

君が 生きていた。 君が……この世に生まれて 生きていた。

そこに やっぱりborderなんて無い。

「 鈴ちゃん、おめでとう……幸せに。」

ずっと……これからも、私たちは Noborder でありたい。



通り雨は 嫌いです。

今でも。

大切な人が 濡れてしまうから……。

けれど、

雨は 誰の肩にも同じだけ 降り注いで、

やがて……晴れていく。



月の夜は ざわつく。

今でも。

静かな光が……君を恋しくさせるから……。

けれど、

君が 見ている月も、私が見ている月も 同じだね。


たとえ、何年立っても……

いくつ歳を重ねても……

君に 逢いたいを 数えていたい。

君との距離に……borderなど無いのだから。


私は 今 、冷静に……愛を抱きしめて 生きてる。


ねぇ……聞かせて。

あのバラードを……


今夜、 私だけに…… 聞かせて。





・*:.。. . No border ~雨も月も…君との距離も~*・゚゚

ー E N D ー

2019・11・2


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