No border ~雨も月も…君との距離も~
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「 おはようございま~す。」

お昼すぎ 13時……10分前。

「 よっ! ハナちゃん、アイちゃん
助かるよぉ~。」

「 小川さんの 頼みなら…しっかたないじゃないですかぁ。(笑) 」

「 学校 休んで来たんですからっ!!」

「 それは…ダメなんじゃないの?!! (苦笑) 」

「 大丈夫です!(笑)
単位…取れてるんで。私、こう見えて優秀なんですからっ(笑) 」

「 ありがとう~ハナちゃーーーーん♡」

「 この調子だと…明日の引っ越し、絶対 間に合わないしさぁ~(汗汗) 」



BIG4のリフォームが明日から始まる。



で。とりあえず……荷物を運び出して引っ越し。

急遽、バイトの私とアイちゃんが、店長の小川さんから呼び出された……という訳。

「 なんかさぁ~(苦笑) 気のせいかもしれませんけど、

おとといより……荷物 増えてません??

要らない物…処分してるんじゃないんですかぁ~?」

「 それを言うなよぉ~(困) 奥の倉庫、掃除したら……
出てくる……出てくる。(苦笑) 」

BIG4の エントランスからロビーまで…えらいことになっている。

ゴミ屋敷……か?

「 小川さん……この写真。」

アイちゃんが、大量の古い荷物の中から 1枚の写真を見つける。

大掃除……あるある(汗)

写真なんか 見つけたら……前に進めな~い。

アイちゃんが 埃を払いながら、呟く。

「 綺麗な……人。」

「 ホント。 綺麗な人。」

私とアイちゃんの間から 小川さんが写真を覗く。

「 ……ルナちゃんだよ。 」

「 ルナさん?」

「 僕と……

東京でプロデューサーをしてる洋介。

そして……ギタリストの幸崎。

それから、ルナちゃん……。」


「 BIG4 だぁーーー(笑) BIGな4人。」

私とアイちゃんは、声を合わせる。


写真からも伝わってくる、とてつもない透明感と1度見たら記憶に残ってしまう……瞳の吸引力。

「 日本人なんだけど、イギリス育ちの彼女は……ここへ来た時から 日本語が得意じゃないからって、歌ってばかりいたよ。

オペラみたいに 話しかけてきたり……

時には、変なラップ口調だったり。(笑)

クールでキュートな子だった。本当に……(笑)

そして……最高に 歌が上手かった。

僕が出会ったボーカリストの中で ……

ベスト4には 入るね。」

「 へぇ~。そうなんだ……。」

「 そんなに上手いのに、プロ…じゃないの?」

「メジャーの直前で……シンが生まれたんだ。」

「 SIN……って、あのDーカクのーーー!! 」

「 うっそぉ~♡ ヤッバっ! 」

「 ルナさんって シン君のお母さんだったんだ。」

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