No border ~雨も月も…君との距離も~
4章 真(シン)
片町の居酒屋を貸しきって、打ち上げが ダラダラと続く。
もうすぐ 日付が変わる頃。
「 紗奈っ!ごめんっ。先、消えるっ!」
ほろ酔い……ではなく、かなり 酔っぱらいの鈴ちゃんが 私に酎ハイのグラスの残りを握らせると、フラフラしながら 立ち上がる。
「 鈴ちゃんっ!足元……ヤバいって!」
私は 苦笑する。
「 あっ……。大丈夫ッス。俺、連れて帰りますから……。」
タクちゃんが、しっかりした 顔つきでニッコリする。
全く、頼りになる10代。
大人が倒れる 居酒屋の座敷を横目に、私はタクちゃんとは反対側から 鈴ちゃんに肩を貸して、一緒に店の外に出た。
タクちゃんに鈴ちゃんのカバンを渡して、2人がタクシーに乗り込むのを 見届けてる。
振り返ると………
シンが店の入口を 塞いでいた。
「 俺のこと、置いて 帰ったかと思った。」
「 (笑) そんなわけないじゃん。」
「 俺たちも………消える? 」
「 えっ………。?」
やっぱり……返事を聞く前に、シンは私の手を取って夜の街に 駆け出した。
さっきまで、かなり飲んでいたとは 思えない シンの軽い足どりに、私は少し引っ張られぎみで ついて行く。
12時を過ぎた 片町は、クリスマスのせいか……いつもより 人がいて、いつもより 賑わっていた。
人ゴミの スクランブル交差点を 肩スレスレで走るシンの 後ろ姿に粉雪が チラつく。
彼の髪や 広く角ばった肩幅に、降り積もろうとする powder snowは、私たちに留まることが 出来ずにキラキラと 美しいイルミネーションに溶けた。
ついては消えて……規則正しく……あるいは不規則に、ざわめく光と影。
宝箱から……はみ出た 宝の欠片……そんな風にキラキラ 見える街が 眩しい。
どこからか 風が運ぶ クリスマスソング。
寒いはず………。
けれど シンの 手のひらから、伝わる体温は それだけで 私の全身を熱くする。
冬も雪も、彼の傍にいると暖かい季節になる。
不思議。
しばらくして 一層 強い電飾に飾られたビルの入口でシンは 足を止めて 私に振り返った。
「 やっぱ…酔ってる(笑)走りすぎたっ! 」
口元に 可愛いエクボを浮かべて、息をつくシンの笑顔は 憎めない。
シンより倍も 息を切らす私だけれど、子供のようなその笑顔に全てを許してしまいそうになる。
素直で、真っ白な雪のように純粋な笑顔は やっぱり……
死刑。(笑)
もうすぐ 日付が変わる頃。
「 紗奈っ!ごめんっ。先、消えるっ!」
ほろ酔い……ではなく、かなり 酔っぱらいの鈴ちゃんが 私に酎ハイのグラスの残りを握らせると、フラフラしながら 立ち上がる。
「 鈴ちゃんっ!足元……ヤバいって!」
私は 苦笑する。
「 あっ……。大丈夫ッス。俺、連れて帰りますから……。」
タクちゃんが、しっかりした 顔つきでニッコリする。
全く、頼りになる10代。
大人が倒れる 居酒屋の座敷を横目に、私はタクちゃんとは反対側から 鈴ちゃんに肩を貸して、一緒に店の外に出た。
タクちゃんに鈴ちゃんのカバンを渡して、2人がタクシーに乗り込むのを 見届けてる。
振り返ると………
シンが店の入口を 塞いでいた。
「 俺のこと、置いて 帰ったかと思った。」
「 (笑) そんなわけないじゃん。」
「 俺たちも………消える? 」
「 えっ………。?」
やっぱり……返事を聞く前に、シンは私の手を取って夜の街に 駆け出した。
さっきまで、かなり飲んでいたとは 思えない シンの軽い足どりに、私は少し引っ張られぎみで ついて行く。
12時を過ぎた 片町は、クリスマスのせいか……いつもより 人がいて、いつもより 賑わっていた。
人ゴミの スクランブル交差点を 肩スレスレで走るシンの 後ろ姿に粉雪が チラつく。
彼の髪や 広く角ばった肩幅に、降り積もろうとする powder snowは、私たちに留まることが 出来ずにキラキラと 美しいイルミネーションに溶けた。
ついては消えて……規則正しく……あるいは不規則に、ざわめく光と影。
宝箱から……はみ出た 宝の欠片……そんな風にキラキラ 見える街が 眩しい。
どこからか 風が運ぶ クリスマスソング。
寒いはず………。
けれど シンの 手のひらから、伝わる体温は それだけで 私の全身を熱くする。
冬も雪も、彼の傍にいると暖かい季節になる。
不思議。
しばらくして 一層 強い電飾に飾られたビルの入口でシンは 足を止めて 私に振り返った。
「 やっぱ…酔ってる(笑)走りすぎたっ! 」
口元に 可愛いエクボを浮かべて、息をつくシンの笑顔は 憎めない。
シンより倍も 息を切らす私だけれど、子供のようなその笑顔に全てを許してしまいそうになる。
素直で、真っ白な雪のように純粋な笑顔は やっぱり……
死刑。(笑)