No border ~雨も月も…君との距離も~
素直に……
2人…お似合い。
なんて……言葉に出そうになる。
私の気配に気付いたのか、シンはやんわりと 身体を 動かしつつ…薄らと 目を開けた。
「 あ~。さーーーなっ! 」
と 寝言に近い声で 大きな伸びをすると、首を左右に軽く振った。
ツアー前と髪色も少し変わって、私の知らないシャツを着ているシンは、久しぶりに見ると…やっぱり カッコよくて……
そのせいか 少し遠い人のように 感じた。
私は この衝撃に 着いて行けず……思わず、スライドドアをガガッと閉め直して 翔平君に言われた助手席の土産の袋を持つと ガシガシと来た道を、戻ることにした。
ファンの子達の SNSのコメントが私の頭の中で、炎上する。
“ 夏香さん……シンの初めての女だって 噂もあるんだぁ。” と いつかの鈴ちゃんの声も響いてくる。
嫉妬。
いちいち 衝撃が強すぎて、私の中ですぐに処理出来ない。
「 おいって。 紗奈ぁ…何だよ、久しぶりに帰って来たのに 冷たいじゃん。」
「 別に。」
私は シンの声に少し足を止めて 返事をしつつも…BIG4の入口へと ガシガシ…向かう。
「 ちょ……ちょっと。だーかーら、何?
何だよっ!」
シンは 私の手から紙袋を奪うと、そうやって私を止めた。
「 だってっ。違う人かと思った。
髪の色だって……服だって……
夏香さんと 並んで寝てたら……
違う人に 見えたっ!! 」
私は シンから視線を外して 早口で言う。
そして……なんだか 子供っぽい 自分の嫉妬と見事なスネッぷりに嫌になった。
「 ごめん……。 ……はっははっ(笑) 」
なんか…………恥ずかしくなる。
完全に、私の嫉妬がバレてる。
「 紗奈。 ただいま。」
シンは、そう言って私を自分の方に向かせると 胸元から お揃いのチョーカーを シャツの上に出した。
「 俺は、変わらないよ。」
シンは、私の大好きな顔で ケラッと笑った。
逢いたかったが 溢れて……声が出ない。
力が抜けるのが わかる。 全身の力が抜ける。
新しい髪色も、都会で買ったシャツだって……やっぱり 悔しいくらい似合っていて、かっこいい。
ケラッと笑う時の 口元の小さなエクボも、右目じりの泣きボクロも……シンで。
ふわっと香る いつもの香水も……全部、シンだ。
「 俺さぁ コンビニ大好きだし コンビニ飯好きだし、 一生 コンビニ弁当でいいと思ってた。
なのに……さぁ、ずっと紗奈の弁当が食べたいって思ってた。
紗奈の卵焼き…食いてーって、ツアーの間 ずっと思ってた(笑) 」
私は、やっと…しっかりシンと目を合わす事ができた。
「 ただいま。(笑) 」
「 ……ごめん。シン。
おかえり。 おかえりなさいっ… 」
好き……が待ちくたびれちゃった。
待ちくたびれ…ちゃったよ。
シンの胸に飛びついて 抱きしめたかったけれど、そのタイミングで建物の陰から 夏香さんが顔を見せた。
両手と肩に 荷物をかけて、少しよろけながら 彼女は 私とシンを交互に見て…ニコッと会釈する。
「 シン、この荷物 誰のかわかる? 」
「あ………と。後で 俺が運ぶから 置いとけよ。」
「 ありがと。 紗奈ちゃん、お疲れ様。
事務所にash宛に、メールとか来てたりする?」
「 お疲れ様です。メール…幾つかあったと思います。あと、宅急便なんかも…。
荷物、私も手伝います。」
「 やっぱり~(笑) BIG4が、一番落ち着くぅ~!」
夏香さんの肩から 荷物を手伝ったり…バタバタと機材車に 戻ったり…私とシンは自然に、その場を誤魔化した。
2人…お似合い。
なんて……言葉に出そうになる。
私の気配に気付いたのか、シンはやんわりと 身体を 動かしつつ…薄らと 目を開けた。
「 あ~。さーーーなっ! 」
と 寝言に近い声で 大きな伸びをすると、首を左右に軽く振った。
ツアー前と髪色も少し変わって、私の知らないシャツを着ているシンは、久しぶりに見ると…やっぱり カッコよくて……
そのせいか 少し遠い人のように 感じた。
私は この衝撃に 着いて行けず……思わず、スライドドアをガガッと閉め直して 翔平君に言われた助手席の土産の袋を持つと ガシガシと来た道を、戻ることにした。
ファンの子達の SNSのコメントが私の頭の中で、炎上する。
“ 夏香さん……シンの初めての女だって 噂もあるんだぁ。” と いつかの鈴ちゃんの声も響いてくる。
嫉妬。
いちいち 衝撃が強すぎて、私の中ですぐに処理出来ない。
「 おいって。 紗奈ぁ…何だよ、久しぶりに帰って来たのに 冷たいじゃん。」
「 別に。」
私は シンの声に少し足を止めて 返事をしつつも…BIG4の入口へと ガシガシ…向かう。
「 ちょ……ちょっと。だーかーら、何?
何だよっ!」
シンは 私の手から紙袋を奪うと、そうやって私を止めた。
「 だってっ。違う人かと思った。
髪の色だって……服だって……
夏香さんと 並んで寝てたら……
違う人に 見えたっ!! 」
私は シンから視線を外して 早口で言う。
そして……なんだか 子供っぽい 自分の嫉妬と見事なスネッぷりに嫌になった。
「 ごめん……。 ……はっははっ(笑) 」
なんか…………恥ずかしくなる。
完全に、私の嫉妬がバレてる。
「 紗奈。 ただいま。」
シンは、そう言って私を自分の方に向かせると 胸元から お揃いのチョーカーを シャツの上に出した。
「 俺は、変わらないよ。」
シンは、私の大好きな顔で ケラッと笑った。
逢いたかったが 溢れて……声が出ない。
力が抜けるのが わかる。 全身の力が抜ける。
新しい髪色も、都会で買ったシャツだって……やっぱり 悔しいくらい似合っていて、かっこいい。
ケラッと笑う時の 口元の小さなエクボも、右目じりの泣きボクロも……シンで。
ふわっと香る いつもの香水も……全部、シンだ。
「 俺さぁ コンビニ大好きだし コンビニ飯好きだし、 一生 コンビニ弁当でいいと思ってた。
なのに……さぁ、ずっと紗奈の弁当が食べたいって思ってた。
紗奈の卵焼き…食いてーって、ツアーの間 ずっと思ってた(笑) 」
私は、やっと…しっかりシンと目を合わす事ができた。
「 ただいま。(笑) 」
「 ……ごめん。シン。
おかえり。 おかえりなさいっ… 」
好き……が待ちくたびれちゃった。
待ちくたびれ…ちゃったよ。
シンの胸に飛びついて 抱きしめたかったけれど、そのタイミングで建物の陰から 夏香さんが顔を見せた。
両手と肩に 荷物をかけて、少しよろけながら 彼女は 私とシンを交互に見て…ニコッと会釈する。
「 シン、この荷物 誰のかわかる? 」
「あ………と。後で 俺が運ぶから 置いとけよ。」
「 ありがと。 紗奈ちゃん、お疲れ様。
事務所にash宛に、メールとか来てたりする?」
「 お疲れ様です。メール…幾つかあったと思います。あと、宅急便なんかも…。
荷物、私も手伝います。」
「 やっぱり~(笑) BIG4が、一番落ち着くぅ~!」
夏香さんの肩から 荷物を手伝ったり…バタバタと機材車に 戻ったり…私とシンは自然に、その場を誤魔化した。