No border ~雨も月も…君との距離も~
「シンっ!!そーゆーこと ばっかり言ってると、翔平君に 叱られるからっ!!」
鈴ちゃんが、釘を差すと同時に 噂をすれば……
「おはようございま~す!」と夜なのに 業界挨拶で、翔平君とタクちゃんが やって来た。
「ん?何? 俺が……どうかした?」
ashのギター 翔平君は シンと鈴ちゃんの顔を 交互に見て、不思議そうな顔をする。
「何でもねーよっ!(笑) こっちの話。
はい! 今日も、Aスタね。」
シンは、しれっと……鈴ちゃんの前に タクちゃんを置くと 彼の背中をポンっと叩いた。
口をパクパクさせて ……言葉を飲み込む鈴ちゃんは 、タクちゃんを目の前に 置かれると 途端に
可愛くなったりする。
「(笑)何? なんか いいことあったの?」
「あ~。(笑) 何でもないよっ。何でも……ない。
はっ……ははっ!」
シンは おかしそうに 笑いながら、翔平君を 連れてAスタへ 向かった。
チラッと こっちを見た 、そのイタズラな口元に
私は ドキドキが止まらず……
しばらく ぬるくなったコーヒーの缶を、両手で握りしめていた。
あり得ないくらい 汗ばんでいた、手のひらに
缶の中身が もう一度、温まるのではないかとさえ思った。
「うぃーーーーッス!」
最後に、ashのドラム 剛(タケル)君が テンション高めに……? イヤ? いつも こんな感じで……
現れた。
シンの背中を見つけて、飛びついてジャレる……
ashの 仲の良さに……私と 鈴ちゃんは、目を
合わせて笑った。
あの頃の 私たちには……夢も恋も……
手にすることに 迷いなんて無くて……手にできると信じていた。
才能に……現実に……怯えることもなく、
自分に 素直で 自由……だったように思う。
*・゚゚・*:.。..。.・゚・*:.。. .。.・゚゚・*
ーそれから 2週間あまりー
私は、見事に 放置されていた。
何を考えているのか、分からない男……二人。
調子の良い男……と勝手な?イケメン。
その 勝手なイケメン 、シンとはバイト中に 何度かニアミスはするものの 冗談を言うどころか 話をするタイミングもなく……こっちに目も向けてくれなかった。
BIG4の店長 小川さんと 何やら 真剣な話をしている彼は素っ気なく、私のいる 受け付けカウンターの前を 通りすぎる。
完全。 無視ーーーー。シカトーーーー。
完全。置き去りーーーー。なんですケドっ!!
それに加えて、彼氏……?までもっ!
パタリと連絡が 無い。
これは 何となく想像がついて……。
赤ちゃん、産まれたのかもしれない。
そもそも 半年 付き合って……私から彼に連絡を取ることが 一度もなかったことに、今になって気がついた。
どんなに最低な男でも……
どんなにダメな 父親でも……
初めて見る 我が子は、きっと……どれほど スゴい存在なのだろう。
男の人は、自分で子供を産まないから 実感が薄いって……よく聞くけれど、自分じゃない別の誰かから自分の遺伝子を持った 分身が産まれるなんて……
スゴいんじゃないっ。
それは、きっと とても繊細で……
征服と敬意とが、同時に起こる 軽いパニック。
単純に 感動すると思う。
やっぱり……奥さんが 羨ましい。
そして 私は それなりの 嫉妬に、疲れたりもしていた。
なんにも……感じない恋愛なんて ない。
傷つかない恋なんて ないのかもしれない。
相手が、私意外の誰かと 幸せなんだと 考えると……自分が独りである 感覚は、大きくなる。
放置されていながらも、携帯だけは 気にしつつ……アパートの外階段を かけあがり 暗い部屋に灯りをつけた。
「寒っ!」
鞄と コンビニの袋を ベッドに 放り投げて すぐにエアコンのリモコンに、飛び付いた。
ダメージ多めの デニムを脱いで、スウェットに着替える。
そして、頭から すっぽりフリースのブランケットを被ると 体育座りで、今日の晩ごはんらしき……コンビニサラダと おつまみ 、ビールを、ガサガサと袋から出して 並べた。
終わってるな……私。
男、2人から 訳の分からない 立ち位置で 立たされたまんまの私は、嫉妬に疲れ……期待に振り回され……。
たぶん 心なしか……荒れていた。
食欲……減。
無造作に 投げたせいか 中身がパックの中で ひっくり返ってしまった サラダを、左右に振って 元の位置に 戻そうとした時、スマホが 震えた。
「もし?は~い。」
私は、口に割りばしをくわえたまま おかしな声で返事をした。
鈴ちゃんが、釘を差すと同時に 噂をすれば……
「おはようございま~す!」と夜なのに 業界挨拶で、翔平君とタクちゃんが やって来た。
「ん?何? 俺が……どうかした?」
ashのギター 翔平君は シンと鈴ちゃんの顔を 交互に見て、不思議そうな顔をする。
「何でもねーよっ!(笑) こっちの話。
はい! 今日も、Aスタね。」
シンは、しれっと……鈴ちゃんの前に タクちゃんを置くと 彼の背中をポンっと叩いた。
口をパクパクさせて ……言葉を飲み込む鈴ちゃんは 、タクちゃんを目の前に 置かれると 途端に
可愛くなったりする。
「(笑)何? なんか いいことあったの?」
「あ~。(笑) 何でもないよっ。何でも……ない。
はっ……ははっ!」
シンは おかしそうに 笑いながら、翔平君を 連れてAスタへ 向かった。
チラッと こっちを見た 、そのイタズラな口元に
私は ドキドキが止まらず……
しばらく ぬるくなったコーヒーの缶を、両手で握りしめていた。
あり得ないくらい 汗ばんでいた、手のひらに
缶の中身が もう一度、温まるのではないかとさえ思った。
「うぃーーーーッス!」
最後に、ashのドラム 剛(タケル)君が テンション高めに……? イヤ? いつも こんな感じで……
現れた。
シンの背中を見つけて、飛びついてジャレる……
ashの 仲の良さに……私と 鈴ちゃんは、目を
合わせて笑った。
あの頃の 私たちには……夢も恋も……
手にすることに 迷いなんて無くて……手にできると信じていた。
才能に……現実に……怯えることもなく、
自分に 素直で 自由……だったように思う。
*・゚゚・*:.。..。.・゚・*:.。. .。.・゚゚・*
ーそれから 2週間あまりー
私は、見事に 放置されていた。
何を考えているのか、分からない男……二人。
調子の良い男……と勝手な?イケメン。
その 勝手なイケメン 、シンとはバイト中に 何度かニアミスはするものの 冗談を言うどころか 話をするタイミングもなく……こっちに目も向けてくれなかった。
BIG4の店長 小川さんと 何やら 真剣な話をしている彼は素っ気なく、私のいる 受け付けカウンターの前を 通りすぎる。
完全。 無視ーーーー。シカトーーーー。
完全。置き去りーーーー。なんですケドっ!!
それに加えて、彼氏……?までもっ!
パタリと連絡が 無い。
これは 何となく想像がついて……。
赤ちゃん、産まれたのかもしれない。
そもそも 半年 付き合って……私から彼に連絡を取ることが 一度もなかったことに、今になって気がついた。
どんなに最低な男でも……
どんなにダメな 父親でも……
初めて見る 我が子は、きっと……どれほど スゴい存在なのだろう。
男の人は、自分で子供を産まないから 実感が薄いって……よく聞くけれど、自分じゃない別の誰かから自分の遺伝子を持った 分身が産まれるなんて……
スゴいんじゃないっ。
それは、きっと とても繊細で……
征服と敬意とが、同時に起こる 軽いパニック。
単純に 感動すると思う。
やっぱり……奥さんが 羨ましい。
そして 私は それなりの 嫉妬に、疲れたりもしていた。
なんにも……感じない恋愛なんて ない。
傷つかない恋なんて ないのかもしれない。
相手が、私意外の誰かと 幸せなんだと 考えると……自分が独りである 感覚は、大きくなる。
放置されていながらも、携帯だけは 気にしつつ……アパートの外階段を かけあがり 暗い部屋に灯りをつけた。
「寒っ!」
鞄と コンビニの袋を ベッドに 放り投げて すぐにエアコンのリモコンに、飛び付いた。
ダメージ多めの デニムを脱いで、スウェットに着替える。
そして、頭から すっぽりフリースのブランケットを被ると 体育座りで、今日の晩ごはんらしき……コンビニサラダと おつまみ 、ビールを、ガサガサと袋から出して 並べた。
終わってるな……私。
男、2人から 訳の分からない 立ち位置で 立たされたまんまの私は、嫉妬に疲れ……期待に振り回され……。
たぶん 心なしか……荒れていた。
食欲……減。
無造作に 投げたせいか 中身がパックの中で ひっくり返ってしまった サラダを、左右に振って 元の位置に 戻そうとした時、スマホが 震えた。
「もし?は~い。」
私は、口に割りばしをくわえたまま おかしな声で返事をした。