No border ~雨も月も…君との距離も~
「 紗奈っ……!ash……メジャー、決まったって。」
「 ホントに……?! 」
「 うん、 ホントに…本当。」
「 夢が……叶うの…? 」
「 叶うよっ。夢が…。ashの曲が 全国に 流れるっ!!」
鈴ちゃんの声が 少し震えていて……喜びを抑え切れないのが 分かる。
「 すごい……。(笑) 」
そう言う 私の両手を握りながら…鈴ちゃんの顔は、晴々しい表情から一辺……
たちまち下睫毛に 涙が溜まる。
「 鈴ちゃん……? 」
耳まで赤く染めて 無理に唇を噛んで、涙を堪える親友が 愛しかった。
「 嫌だよ……。紗奈。
私、嫌だよ…………。 」
「 …………鈴ちゃん。」
「 タクも、シンも……私たちだけの 彼氏じゃなくなる……。 」
…………私だけの シンじゃ なくなる…………
空気にすら 刃がある。
やっぱり…私を切りつける。
こんなに 嬉しくて、興奮しているのに、
刃は 鋭い。
鈴ちゃんの 切ない想いが 伝心した。
私は 鈴ちゃんを 思わず抱き寄せて ベリーショートの髪を撫でた。
そして…いつの間にか事務所から出てきた 夏香さんは、そんな私たちに 静かに 強い口調で言った。
「 取り込み中…ごめんなさいっ。
貴方たち 2人、ashのここでのライブスタッフには配置しないことにしたの。
分かってくれるよね。
……とは 言っても、もうBIG4でのライブも数回…ってことになるかもしれないけど。 」
夏香さんは 強すぎる眼差しで 私を睨む。
「 ash、東京に行くから。 」
「 夏香さんっ……! 私……。」
早足で去ろうとする 夏香さんを 呼び止めた後に、何と言ったらよいのか 分からずに、言葉に詰まる。
「 ……夏香さん、 ごめ… 」
「 言ったよね。 私……紗奈ちゃんに。
ashは、私の夢だって。」
彼女の瞳が 刃になる。
「 シンというボーカリストは 私の夢なの。
シンの歌声にどれだけの 価値があるのか、私は確かめたいっ!
どれだけの人を 魅了できるのか……
どれだけ 感動する場所に立つことができるのか…… 。
シンなら できるの……。
私は、知りたいの。もっと上を行くシンを……見たいのっ!」
「 ……ごめんなさい。」
「 お願いっ。ashに水を注さないで欲しい。
その時の…その時だけの 、一時的な恋愛感情の盛り上がりなんかで シンの価値を落とさないで欲しいの。」
私が 謝ったことで 確信を得た彼女は 怒りを爆発させた。
「 ホントに……?! 」
「 うん、 ホントに…本当。」
「 夢が……叶うの…? 」
「 叶うよっ。夢が…。ashの曲が 全国に 流れるっ!!」
鈴ちゃんの声が 少し震えていて……喜びを抑え切れないのが 分かる。
「 すごい……。(笑) 」
そう言う 私の両手を握りながら…鈴ちゃんの顔は、晴々しい表情から一辺……
たちまち下睫毛に 涙が溜まる。
「 鈴ちゃん……? 」
耳まで赤く染めて 無理に唇を噛んで、涙を堪える親友が 愛しかった。
「 嫌だよ……。紗奈。
私、嫌だよ…………。 」
「 …………鈴ちゃん。」
「 タクも、シンも……私たちだけの 彼氏じゃなくなる……。 」
…………私だけの シンじゃ なくなる…………
空気にすら 刃がある。
やっぱり…私を切りつける。
こんなに 嬉しくて、興奮しているのに、
刃は 鋭い。
鈴ちゃんの 切ない想いが 伝心した。
私は 鈴ちゃんを 思わず抱き寄せて ベリーショートの髪を撫でた。
そして…いつの間にか事務所から出てきた 夏香さんは、そんな私たちに 静かに 強い口調で言った。
「 取り込み中…ごめんなさいっ。
貴方たち 2人、ashのここでのライブスタッフには配置しないことにしたの。
分かってくれるよね。
……とは 言っても、もうBIG4でのライブも数回…ってことになるかもしれないけど。 」
夏香さんは 強すぎる眼差しで 私を睨む。
「 ash、東京に行くから。 」
「 夏香さんっ……! 私……。」
早足で去ろうとする 夏香さんを 呼び止めた後に、何と言ったらよいのか 分からずに、言葉に詰まる。
「 ……夏香さん、 ごめ… 」
「 言ったよね。 私……紗奈ちゃんに。
ashは、私の夢だって。」
彼女の瞳が 刃になる。
「 シンというボーカリストは 私の夢なの。
シンの歌声にどれだけの 価値があるのか、私は確かめたいっ!
どれだけの人を 魅了できるのか……
どれだけ 感動する場所に立つことができるのか…… 。
シンなら できるの……。
私は、知りたいの。もっと上を行くシンを……見たいのっ!」
「 ……ごめんなさい。」
「 お願いっ。ashに水を注さないで欲しい。
その時の…その時だけの 、一時的な恋愛感情の盛り上がりなんかで シンの価値を落とさないで欲しいの。」
私が 謝ったことで 確信を得た彼女は 怒りを爆発させた。