No border ~雨も月も…君との距離も~
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チリン……。

平日のお昼を少し回った頃、お店の扉の上部に取り付けられた 呼び鈴が、開閉と共に鳴る。

混み始めた お客さんを避けながら、ショーケースの前で 翔平君が 頭に巻かれた タオルを取った。

「 翔平君っ!いらっしゃい (笑)
今日は、何にする?」

ニッカポッカ姿の翔平君は ashのステージ衣装のシャープな感じとは また違った 魅力がある。

どうしても 目立ってしまう翔平君の立ち姿は……ニッカポッカでも やっぱり少し芸能人だ。

「 あっちぃーーから… 冷やし中華。」

「 (笑) んなの 無いよっ! 」

「 いらっしゃ~いっ♡ 翔平君の為なら メニューに加えようかなぁ~♡ 」

ママが、わざわざ奥から 顔を出す。

「 もぉ~!ホラ…ママ、すっかり翔平ファンだよぉ~(笑) マジで ワガママ通りそうだもん。」

「 だってぇ~♡ash、4人とも カッコいいじゃん。
翔平君は 見た目のワイルドさとは ギャップで、優しいし……頭いいし。
リーダーのタケル君は イケメンのくせに、気取らなくて面白いでしょ~♡
タクちゃんは、超 可愛い顔して……しっかり者。
シン君は…………ヤバいわね!! 」

「 何がっ!……ですかっ?!!」(ビクッ)

「 エロさがっ!(笑) 色っぽいのよ。イチイチ…。(笑) 」

「 (笑笑) 確かにっ!!」翔平君が笑う。

「 紗奈ちゃんが止めないなら……私、翔平君のこと 狙っちゃうわよぉ~♡ 」

「 (笑笑) マジっすかぁ~!」

「 あら?ご不満?アラフォーですけどっ(笑)
何かっ?」

「 ママさんなら、大歓迎っ♡♡」

少し首を右に傾けて笑う翔平君に、ママのテンションMAX!!

「 ヤダァーーー♡♡もぉ~っ!ちょっとぉ~♡」

上がりすぎて、私の肩をバシバシ…叩く。

肩、イタイでーす。乙女でーす。♡、多くない?

「 旦那さん、スネちゃいますよっ(笑)」

「 翔平君と……新しい道を……」

「もぉ~(笑)ハイハイ! そんなこと言って……。毎日、旦那さんとのノロケ話 私に聞かせてるくせにっ!! LOVEすぎですからっ!!(笑) 」

「 あら? そう? そうかしらっ?」

「 ハイッ。お仕事、お仕事っ(笑) 」

「じゃあね~翔平君っ♡カラアゲ ひとつおまけしとくぅ~! 冷やし中華も考えとくぅ~。」

私と翔平君は、笑い合う。

「 ママさん、好きだぁ~。おもしれぇ~!(笑) 」

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