雪原の蛍
誰に言うともなく呟きながら立ち上がり、ウエアについた雪を払うと、背もたれ代わりに立てかけたボードを引っこ抜く。ブーツを固定し、ゆるゆると滑りながら仲間の下へ近づいた。
「先頭がヤマト、二番目があたし、で次がサクラで……。それからミイナ、で…」
エリが指示を出し皆が所定の位置に着くと、すぐ後ろに今日の主役の一人、ハルキがアンカーとして並んだ。
『…誰だよ、バカ』
おおよそ犯人に見当はついている。思わずエリを睨むと、チラリとこちらを見てニヤリと笑い、さっさと自分の位置へ行ってしまった。
「…チッ」
小さく打った舌打ちは、思いのほか響いたようで、