正義の味方に愛された魔女 5
事件発生です
外堀の周りに泥んこ玉を並べ終わって、ちょっとした自己満足に浸っていた時です。
ブォ~ン!ブォブォブォブォブォ………バタンッ!!
正門の前に黒くてピカピカした大きな車が、ドドーンッと停まって、中からド派手なおばさんが降りてきてこっちに近づいてきました。
オレンジと黒のハロウィンみたいな色のお洋服を着たそのおばさんが、なんと芽衣ちゃんを押しのけて祐介くんの左腕を掴んだのです!
芽衣ちゃんと沙羅がほとんど同時に祐介くんの右腕を掴み、ハロウィンおばさんと引っ張り合いになりました。
《うゎ、ミカおばさん……幼稚園にまで来た》
「祐介くん、今日のお迎えは祐介くんママじゃなくてこのおばさんなの?」慌ててそう聞くと
「違うよ!ママが迎えに来てくれるよ。ミカおばさん、しつこくて嫌い!」
「あら祐ちゃん、そんなこと言わないでよ、今日は私の家にパパも呼ぶから、さぁ一緒に帰りましょうね」
ハロウィンおばさんはそのまま祐介くんを車に乗せようとしています。
おばさんってばゴーレムみたいに怪力です。
大変!どうしよう………そ、そうだ!先生呼んで来よう。
「芽衣ちゃん、沙羅、先生呼んで来るっ!この腕、離さないで頑張っててね!」
「う、うん、わかった。頑張る!」
沙羅は走りました。
この六年足らずの人生の中で、きっと一番速く走りました。
上靴も履かないで廊下を走って、先生を呼んで急いで正門まで戻ったのですが、そこには…
顔じゅう涙まみれにして、地面にペタンと座り込んで泣いている芽衣ちゃんがポツンと取り残されているだけだったのです。
ブォ~ン!ブォブォブォブォブォ………バタンッ!!
正門の前に黒くてピカピカした大きな車が、ドドーンッと停まって、中からド派手なおばさんが降りてきてこっちに近づいてきました。
オレンジと黒のハロウィンみたいな色のお洋服を着たそのおばさんが、なんと芽衣ちゃんを押しのけて祐介くんの左腕を掴んだのです!
芽衣ちゃんと沙羅がほとんど同時に祐介くんの右腕を掴み、ハロウィンおばさんと引っ張り合いになりました。
《うゎ、ミカおばさん……幼稚園にまで来た》
「祐介くん、今日のお迎えは祐介くんママじゃなくてこのおばさんなの?」慌ててそう聞くと
「違うよ!ママが迎えに来てくれるよ。ミカおばさん、しつこくて嫌い!」
「あら祐ちゃん、そんなこと言わないでよ、今日は私の家にパパも呼ぶから、さぁ一緒に帰りましょうね」
ハロウィンおばさんはそのまま祐介くんを車に乗せようとしています。
おばさんってばゴーレムみたいに怪力です。
大変!どうしよう………そ、そうだ!先生呼んで来よう。
「芽衣ちゃん、沙羅、先生呼んで来るっ!この腕、離さないで頑張っててね!」
「う、うん、わかった。頑張る!」
沙羅は走りました。
この六年足らずの人生の中で、きっと一番速く走りました。
上靴も履かないで廊下を走って、先生を呼んで急いで正門まで戻ったのですが、そこには…
顔じゅう涙まみれにして、地面にペタンと座り込んで泣いている芽衣ちゃんがポツンと取り残されているだけだったのです。