副社長はワガママ5歳児。
副社長が家まで送ると
駄々をこねるから結局
家まで送ってもらった。
紫苑「...今日はありがとう。
水族館なんて久しぶりに行ったよ。」
私の記憶が正しければ朋輝との
唯一のデートが水族館だった。
それから、その場所を避けてきた
私にとっては大きな進歩だった。
いい歳して未練がましい。
自分でもそう思うのだから
世間的に私は哀れな人間だろう。
元彼との思い出を
捨てきれない惨めなアラサー。
その表現以外にしっくりくる
言葉を未だに私は見つけられない。
悠真「あのさ...あんたが熱...」
副社長が何かを言いかけた時
後ろから私の名を呼ぶ声が聞こえる。
忘れない、この声は。
7年もの間、毎日聞いたのだから。