エリート御曹司は獣でした
後から集まってきた人たちは、変わらず興奮気味に盛り上がっているけれど、香織と綾乃さんは私と同じ気持ちのようで、ツッコミを入れたそうに乗友さんを見ていた。
ど天然の八重子ちゃんでさえも、真逆のことを言い出した乗友さんに、首を傾げている。
「私たちもお願い!」と、乗友さんの同期ふたりまで肉パーティーに参加したいと頼んできて、私は困った。
彼女たちが久瀬さん目当てなのは、わかっている。
少々の呆れはあるものの、意地悪して仲間外れにする気はない。
どうぞと言ってあげたい気持ちは山々なのだが……残念ながら、久瀬さんを入れて招待客は十五人になった。
これ以上はテーブルを囲めないので、断るしかないのだ。
気まずさを作り笑顔でごまかした私は、おずおずと乗友さんたちに言う。
「すみません。定員いっぱいなんです。うちのリビング、狭いので。その代わりと言ってはなんですが、来月の肉パーティーには、優先的に席を確保します」
すると乗友さんの目がつり上がる。
「来月? そんなのに参加しても意味がないわよ!」
ですよね……と心で呟いた私は、苦笑いして頷いた。
久瀬さんは、“今回だけ”と参加の意思表明をしてくれたのだ。
彼のいない肉パーティーに、乗友さんたちが来たがるはずはなかった。
ど天然の八重子ちゃんでさえも、真逆のことを言い出した乗友さんに、首を傾げている。
「私たちもお願い!」と、乗友さんの同期ふたりまで肉パーティーに参加したいと頼んできて、私は困った。
彼女たちが久瀬さん目当てなのは、わかっている。
少々の呆れはあるものの、意地悪して仲間外れにする気はない。
どうぞと言ってあげたい気持ちは山々なのだが……残念ながら、久瀬さんを入れて招待客は十五人になった。
これ以上はテーブルを囲めないので、断るしかないのだ。
気まずさを作り笑顔でごまかした私は、おずおずと乗友さんたちに言う。
「すみません。定員いっぱいなんです。うちのリビング、狭いので。その代わりと言ってはなんですが、来月の肉パーティーには、優先的に席を確保します」
すると乗友さんの目がつり上がる。
「来月? そんなのに参加しても意味がないわよ!」
ですよね……と心で呟いた私は、苦笑いして頷いた。
久瀬さんは、“今回だけ”と参加の意思表明をしてくれたのだ。
彼のいない肉パーティーに、乗友さんたちが来たがるはずはなかった。