エリート御曹司は獣でした
思いきって誘ってよかった……。
“今回だけ”という条件付きで参加してくれたので、断れば私を傷つけると気遣われた気もしていた。
本当は迷惑に思っているのでは……皆が集まる前の準備中に、ふとそんな心配が頭をよぎったが、今、同僚たちの間で笑顔を浮かべている久瀬さんを見ていたら、その懸念は吹き飛んだ。
彼は間違いなく、楽しんでくれている。
今回だけという条件はきっと、そう言わなければ、私主催の安全な食事会だけではなく、ポン酢に遭遇しそうな他の誘いもどっと押し寄せて、断るのに苦労すると思ったからだろう。
現時点では、“今回だけ”でもいい。
変身体質が治った暁には、他の誘いも私の肉パーティーも、どんどん参加すればいいのだから。
そんなことを考えつつ、豚バラ肉を頬張り、缶の梅酒サワーをチビチビ飲んでいたら、奥の角に座っている香織に、「奈々子!」と呼びかけられた。
「こっちの鍋、空になるよ。雑炊の準備、よろしく」
いつもなら積極的に手伝ってくれる香織だが、今日は人数が多くてキッチンまで出てこれそうにない様子である。
“今回だけ”という条件付きで参加してくれたので、断れば私を傷つけると気遣われた気もしていた。
本当は迷惑に思っているのでは……皆が集まる前の準備中に、ふとそんな心配が頭をよぎったが、今、同僚たちの間で笑顔を浮かべている久瀬さんを見ていたら、その懸念は吹き飛んだ。
彼は間違いなく、楽しんでくれている。
今回だけという条件はきっと、そう言わなければ、私主催の安全な食事会だけではなく、ポン酢に遭遇しそうな他の誘いもどっと押し寄せて、断るのに苦労すると思ったからだろう。
現時点では、“今回だけ”でもいい。
変身体質が治った暁には、他の誘いも私の肉パーティーも、どんどん参加すればいいのだから。
そんなことを考えつつ、豚バラ肉を頬張り、缶の梅酒サワーをチビチビ飲んでいたら、奥の角に座っている香織に、「奈々子!」と呼びかけられた。
「こっちの鍋、空になるよ。雑炊の準備、よろしく」
いつもなら積極的に手伝ってくれる香織だが、今日は人数が多くてキッチンまで出てこれそうにない様子である。